まちづくりの民主主義守れ ラグビー場 建て替え手続き巡り緊迫 外苑再開発 原田あきら都議に聞く〈2025年9月28日号〉

 多くの都民や専門家が反対・見直しを求める神宮外苑再開発(港区・新宿区)のうち、事業者の一つである日本スポーツ振興センター(JSC)が所有する秩父宮ラグビー場の建て替え手続きが文部科学相の認可を受けてしまいました。現在、新ラグビー場の計画変更が都に申請されており、小池百合子知事がどのような判断をするか緊迫した状況が続きます。この後には再開発最後の手続きである「権利変換手続き」(ことば)しかありません。この問題を都議会で追及してきた日本共産党の原田あきら都議に、現局面と今後の取り組みについて聞きました。

外苑再開発計画には公共の利益が欠如していると批判する原田都議

ことば 権利変換手続き 市街地再開発事業で土地や建築物の権利を地権者間で移転・変換すること。計画の前後で資産価値が等価交換されることが前提となります。JSCが秩父宮ラグビー場と明治神宮が所有する神宮球場の土地を交換して建て替えることから、JSCは権利変換計画の認可申請を都に提出し、都知事が認可するかどうかを判断します。公共性の高い施設であり、資産価値の評価が妥当かも問われますが情報はブラックボックスの中です。

 

―神宮外苑再開発事業の計画変更案はどのような内容ですか

 計画変更案は樹木の伐採本数や建物の形状の変更など新秩父宮ラグビー場と、新神宮球場の計画が動いたものです。新神宮球場については、市民運動の成果でもあるのですが、これまで事業者側が問題ないと主張してきたイチョウ並木への影響を事実上認め、これまでの計画より10㍍のセットバック(後退)をさせるという変更が含まれています。

 これは相当規模の変更であり、アセスのやり直しや住民説明会の開催が必要だと考えます。

 ―この再開発に対する市民運動はどのように発展してきましたか

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