【国会議員コラム】吉良よし子/キラキラ☆国会のおと♪ ゼロプランは人権侵害〈2025年9月28日号〉

 「わたしは、日本で生まれ、日本でくらしてきました。トルコのくらしも文字も知りません。だから、帰りたくないです」―9月5日、国会前で行われた、難民移民の強制送還に抗議する緊急アクションに参加したクルドの子のスピーチです。

 参院選のあと、政府は、5月に発表した「不法滞在者ゼロプラン」を盾に、さまざまな理由で在留資格のないまま日本でくらしている子どもたちも含めた外国人を次々と強制送還しています。その日の夕方まで学校の部活動をやっていた子が、友達に「さよなら」をいう間もなく送還された事例もあります。いつ親が送還されるか、在留資格がどうなるか、不安で勉強が手につかないという子もいます。

9月5日の緊急アクションで

 難民条約をはじめとする国際条約には「迫害のリスクがある国へ難民を強制的に送還することを禁止」している「ノンルフールマン原則」が明記されています。子どもの権利条約でも、親と引き離されない権利、学び続ける権利の保障とあります。今、政府が進める強制送還は、こうした国際法違反の人権侵害です。

 しかし、入管庁は「法律に則っている」と繰り返し、ゼロプラン以降、いったい何人を強制送還したかも公表していません。あまりに非道、無責任です。

 国会前の集会には300人が集まりました。政府に抗議する2万1千人分以上の署名も入管庁に渡されています。いま、こうして差別に抗議の声をあげる人がいることが希望です。この声をもっと広げたい。差別と憎悪の政治ではなく、希望の政治こそ。

(参院議員・東京選挙区選出)

東京民報2025年9月28日号より

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