「安心し病院に行きたい」 心身障害者 医療費助成でシンポ〈2025年10月26日号〉

 東京都の心身障害者への医療費助成の対象拡大を求め、都内の障害者団体などでつくる「全都連絡会」は7日、3回目となるシンポジウムを都議会会議室で開きました。小池百合子知事宛ての要望書を都福祉局の担当者に手渡しました。松谷いづみ・福祉局事業調整担当部長は「真摯しんしに受け止める」と述べました。

都担当者(右側)に要望書を渡す障害者=7日、新宿区

都の助成制度は心身障害者に発行する「愛の手帳」の障害程度が1度(最重度)、2度(重度)が対象。住民税の課税者は医療費の自己負担が1割、非課税者は免除となります。一方、3度(中度)、4度(軽度)は対象とならず、健常者と同じ原則3割負担です。創設以来50年間、制度改革は行われていません。連絡会は3・4度の障害者も軽減するよう求めています。

 シンポジウムでは緒志嘉彦会長が「親なき後に子どもがどうなるかが最大の不安で、看取ってから死ぬのが願いになっている。医療費助成の対象拡大を切にお願いしたい」とあいさつ、

 事務局の竹野晃さんは会で取り組んできた陳情・請願は趣旨採択されたものの任期満了で廃案となり、予算化もされなかったと報告。10県と都内は杉並区で「愛の手帳」3度(中度)まで医療費助成を行っていると紹介。都の調査で知的障害者の8割が年収200万円未満という厳しい経済状況を理解するためにも、「当事者の声を聴いてほしい」と訴えました。

 保護者や当事者らが発言。自閉症で4度(軽度)の障害がある娘(23)の母親は、障害者というだけで病気になっても受診を断る病院が多く、医療費の自己負担も重いことを、突然言葉と記憶を失った時の経験を挙げて告発。娘は福祉作業所での収入が月1万円なのに、給食代が8000円で、ほとんど手元に残らない実態を訴えました。

関連記事

最近の記事

  1.  神宮外苑再開発(新宿区・港区)でラグビー場建て替えの認可手続きを巡って緊迫した状況が続く中、作家…
  2.  参院選などを通じて差別や排外主義を掲げる政党や政治家が台頭したことに、危機感を覚え反対する声が広…
  3.  葛飾区議選(定数40、立候補65人)が2日告示(9日投票)され、日本共産党は三小田准一(66)、…
  4. 1面2面3面4面 紙面サンプルと、各面の記事紹介(Web紙面版は画面下部から購入できます) …
  5. 日経平均株価が27日、市場初めて5万円を突破しました▼株価は本来、「経済の体温計」と言われます。株…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

ページ上部へ戻る