殺させないため声あげよう デマと差別許すなと街宣〈2025年10月26日号〉

 参院選で、外国人を敵視する政策を掲げる候補者や政党の動きが広がったことに反対し、著名人や弁護士らが呼びかけた「デマと差別が蔓延(まんえん)する社会を許しません」アピールの第二回目の街頭宣伝が17日、新宿駅前で開かれました。

スピーチする、(左から)音楽プロデューサーの松尾潔さん、ファンクバンド「オーサカ=モノレール」の中田亮さん、DJの沖野修也さん=17日、新宿区

 呼びかけ人のあいさつで、法政大学元総長の田中優子氏は、「事実を確かめ、デマや差別を自分の心の中からなくしていくことは、人を傷つけたり、戦争を起こす道を狭めていくために、とても重要なことです。一人一人が、確かな目をもって生きましょう」と強調しました。このほかに呼びかけ人から、弁護士の太田啓子氏、音楽プロデューサーの松尾潔氏、元文部科学事務次官の前川喜平氏、東京大学教授の隠岐さや香氏、DJ・音楽プロデューサーの沖野修也氏があいさつしました。

 ゲストスピーチで作家の安田浩一氏は、関東大震災の朝鮮人虐殺に触れながら、現在の日本社会にも、クルドの人たちが、「自分や家族が、攻撃されるかもしれない」とおびえて生きる状況が生まれているとして、「絶対に人を殺させない、差別を許さない、そういう声を、私たちがあげよう」と訴えました。

 日本共産党、立憲民主党、社民党、れいわ新選組の国会議員が訴えました。日本共産党から、田村智子委員長と、吉良よし子参院議員、辰巳孝太郎衆院議員が登壇し、小池晃書記局長が参加しました。田村氏は「この国は、差別とデマがまん延した時代に、アジアへの侵略戦争を起こした。いまも戦うとなったら、その国への敵がい心をあおることが必要になる。すべての人の人権を守る政治をつくろう」と訴えました。

 音楽関係者や文化人、作家など、さまざまな分野からの訴えが行われたほか、日本とパレスチナにルーツを持つラッパーのDANNYJIN(ダニージン)さんが、イスラエルのジェノサイドに抗議するラップを披露。多彩な宣伝に、多くの人が立ち止まり、拍手や歓声を送りました。

東京民報2025年10月26日号より

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