日経平均株価が27日、市場初めて5万円を突破しました▼株価は本来、「経済の体温計」と言われます。株価の上昇は、経済の活性化と、国民生活の豊かさを示すはずですが、ここ数年は「体温計」と生活実感には大きな隔たりがあります。大企業は株高を背景にした空前の利益を上げているのに、国民生活は物価高と、賃金の停滞で苦しさを増しています▼こうした経済の歪みを巨大化したのが、安倍元首相が掲げたアベノミクスでした。バズーカとも呼ばれた金融緩和で、株高を演出する一方で、賃金上昇は物価高騰に追いつかず、庶民生活は置き去りでした▼初の株価5万円突破は、安倍政権の後継を自認する高市首相のもと、さらなる大企業優遇政策で株高が進むことへの期待感に基づいています。24日に行った高市首相の初の所信表明も、「戦略的な財政出動」を掲げて大企業支援の「成長戦略」を打ち出す一方、暮らしを支える肝となる消費税減税・廃止には触れませんでした▼日経平均株価が初の4万円突破を記録したのは2024年3月4日、それからわずか1年半ほどで、25%も上昇したことになります。初の女性首相の金看板で期待値を集めた高市政権の高支持率と同様、その先行きにも危うさが立ち込めています。
東京民報2025年11月2日号より








