【読書 今月の本棚と話題】平和と自由の言葉パワー 『ことばで愛し、ことばでたたかう 日本文学の宝石箱』持田 叙子 著〈2026年4月19日号〉

 明治・大正・昭和の激動期を「平和と自由の言葉パワー」で生き抜いた5人の名高い文学者を紹介しています。

 与謝野晶子の“やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君”は明治の若者をざわざわさせた一首。愛する与謝野鉄幹との間に8人の子をもうけ、雑誌「明星」の発行を筆一本で支えた晶子。日露戦争に召集された弟を歌う「君死にたもうことなかれ」では、死ぬな弟よ、人を殺すために親は子を育てたのではない、それに天皇ご自身は行軍に加わっておられぬではないかと歌い、恋に憧れる乙女はみんな戦争は大嫌いと叫びます。そんな晶子ですが生まれた時には、父は男の子でなかったと怒って、一週間も帰って来なかったとか。

岩波ジュニア新書 2025年
1056円(本体+税)
もちだ・のぶこ 近代文学研究者、文筆家。著書に『永井荷風の生活革命』、『折口信夫 独身漂流』、『荷風へ、ようこそ』など

 泉鏡花は「人間の心がはらむ夢や空想を描いて誰もまねできない文学世界を作り上げた人」。古き良きものを愛するので文語で書く作品が多く、口で唱えるといいリズムになり意味もふっと心に入ってくるそうです。

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