【読書 今月の本棚と話題】真実を伝える媒体の大切さ 『反骨のかわら版』 玄間太郎 著〈2026年4月19日号〉

 「かわら版(瓦版)」とは、江戸時代に流行した、天災地異、大火、心中、仇討など事件性のある出来事が起きた時に、不定期に出された情報伝達媒体です。

 形式も一枚刷りで一枚から数枚の印刷物です。大抵、大きな絵に、その説明の文字が付けられたものでした。

 本書は、江戸時代を舞台に、かわら版「文太屋」を起こした文太を主人公にした時代小説です。

同時代社 2026年
1200円+税
げんま・たろう 1944年生まれ。新聞記者42年。日本ジャーナリスト会議会員。小説『栃尾郷の虹』など多数

 フィクションですから、実際にこのような反骨精神のあるかわら版屋がいたかどうかはわかりませんが、時代考証もしっかりしており、読んでいて真に迫るものがあります。

 文太は心中や仇討など事件を追いかけていたのですが、「人の不幸をネタにして、これでいいのか」と疑問をもち、かわら版の使命について深く考えるようになります。

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