寄稿 松野迅 音楽に萌芽する弁証法 5月10日にリサイタル〈2026年4月26日号〉

 バイオリニストの松野迅さんが、5月10日にリサイタルを開きます。松野さんに寄稿してもらいました。

 春の到来とともに新たな戦慄せんりつを覚える事態となりました。漏れなく芸術文化分野も影響を受けています。突然、人や楽器の往来が不自由となり、楽音ではなく難題とのセッションが一日の始まりです。

松野迅さん

 本日は、5月10日(日)に開催するリサイタルのご案内です。秋から冬にかけては大胆なプログラムでステージに立っていますが、春はオーソドックスな作品と向き合います。幕開けは、18世紀末に活躍した目の不自由な女性作曲家、パラディスの「シチリアーノ」です。モーツァルトが彼女のためにピアノ協奏曲のひとつを書いたといわれています。続いて、モーツァルトとシューベルトの「ソナタ」です。音楽作品にも弁証法が萌芽してゆく、その膨らみが感じられる作品です。

 後半は、19世紀末から20世紀に活躍したヴァイオリニスト、クライスラーの作品より5曲を取り上げます。ユダヤ系の音楽家として世界各地を歩いたクライスラーですが、第一次世界大戦中は陸軍兵士として前線で戦い、重傷を負っています。この体験がその後の演奏や作曲活動に大きな影響をもたらしたといわれています。

 さて、お知らせです。2021年春から、私は毎週ラジオ番組でお話をしています。「ピースリー・ミュージック」という番組で、木曜日の午後1時と午後9時からの一時間番組です。同時間帯にインターネットからも聞くことができます。「ラジオ成田」と検索して、ぜひお聞きください。提供は㈱音楽センターです。

 5月10日(日)午後2時開演、けやきホール(古賀政男音楽博物館・代々木上原駅3分)。問合せ090(7107)6661松野迅後援会

東京民報2026年4月26日号より

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