【生活保護の現場から】 引きこもりの息子を抱え 真の自立を支える制度に〈2026年5月17日号〉

 東京の下町で40代の息子と2人で暮らす竹下俊樹さん(63歳、仮名)は生活保護を利用して暮らしています。物価が高騰する中、「生活保護費では本当に余裕がない。働かなくてはならない」との思いで仕事を探している最中です。

 竹下さんは昨年6月まで建築職人として住宅リフォームの現場で汗を流していました。勤めていた会社の社長が「景気が悪い」と口癖のように語り始めると同時に給料の遅延が始まり、気がつくと2カ月分の給料が丸々と支払われていませんでした。当然、蓄えも底をつき、当時10万円の家賃の支払いにも困ってしまいました。税金申告の書き込み相談会などで知っていた生活と健康を守る会(守る会)に相談してセーフティネットである生活保護の利用につながりました。現在は守る会の会員となり、会を支えると同時にサポートを受けて暮らしています。

 その後、社長は自殺未遂を起こし意識が戻らないために会社は運営不能になり仕事は入らず、未払いの解消もされないままです。この会社に勤務する前、竹下さんは工務店を経て一人親方として働いていた経験もあります。パワハラを受けて、転職した会社では「給料の未払いとは、ついてないよな。こうなるとは思わないし」とつぶやきます。

うず高くゴミが

 妻と離婚し、男手一つで一男一女を幼少期から育ててきました。「その時は近くに住む母親も元気で、手伝ってもらえた」と語ります。「生きるために仕事があるでしょう。子どもに『これ食べていてね』と言って出かけたこともありました。娘は高校進学の塾も通わせました。都立高校に進んでくれました」と子育てを振り返ります。

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