【コラム砂時計】あがれない「住宅双六」〈2026年5月17日号〉

 

 「団塊の世代」が若かったころ、「方荘号字」(かた・そう・ごう・あざ)という言葉が流行した。家を出て独立したときは「○○様方」の下宿暮らし、結婚して「○○荘」アパート、家族が増え集合住宅へ、最後は大字○番地のマイホームを定年退職までにローン完済─これで「あがり」という「住宅双六(すごろく)」である。

 この10年間でマンションの価格が全国平均約1・5倍上昇した。東京を例にとると、3・3平方㍍当たり228万円が同364万円へ1・59倍となっている。標準的な3DK(50~65平方㍍)が、5500万~7000万円。ローンで購入するには、年収800万円以上が条件だという。これでは簡単にあがれそうにない。

 価格上昇に拍車をかけているのがトランプ米政権によるイランへの軍事作戦である。それが原油価格の高騰を招き、ナフサの供給が滞っている。4月中旬に住宅関連商品を扱う主要メーカーが浴槽の新規受注を見合わせると発表した。水回りの工事に携わる業者は「今のところ、価格引き上げの話は聞いていないが、メーカーさんに発注しても、納期が明示されない。浴槽が傷んでも応急措置で我慢してもらうしかありません」という。

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