〈コラム 山添拓 未来を拓く〉進む「有事の日常化」〈2026年6月28日号〉
- 2026/6/27
- 国会議員コラム
先日、神戸市で「特定利用空港・港湾を許すな!」と題した学習会でお話ししました。「特定利用~」とは、民間の空港や港湾を、有事の際に自衛隊や米軍が優先的に利用できるよう、平時から訓練などで使いやすくする枠組みです。要するに民間施設の軍事利用。訓練が増えると民間利用の制限や騒音などの問題があり、万一有事となれば攻撃対象となる危険があります。すでに全国24空港33港湾が指定され、さらに広げる方針であることから各地で懸念が広がっています。会場いっぱいの400人が参加されたのは、危機感の強さからにほかなりません。

こうした公共インフラの軍事「活用」は、安保政策の転換の表れでもあります。今月、安保三文書の改定に向けて自民党安保調査会が発表した「提言」は、平時から「『有事があり得ることを前提』とした社会・産業構造の強靱(きょうじん)化を進める必要がある」としており、社会のあらゆる場面で有事の備えを優先させようとしています。例えば那覇や福岡にある自衛隊病院を機能強化し、病棟を増設し病床も拡大、重傷者に備え麻酔科を新設、PTSDの増加に備え精神科を新設、そのために予算も費やす計画です。一般の病院では病床削減を進めているにもかかわらず! 国会で、小泉防衛大臣に「矛盾を感じないか」と尋ねると、「平時に最適化されすぎ」と臆面もなく語りました(16日)。大臣の方こそ、「有事に傾きすぎ」ではないか。
「平時」のいま、命と健康、くらしが脅かされています。「有事」にさせないためには、平和の国際秩序と対話の外交こそ必要です。(弁護士・日本共産党参院議員)
東京民報2026年6月28日号より










