アスベスト 新たな被害生まぬ対策を 東京土建がシンポ 建築物解体ピークを前に〈2026年8月2日号〉

 2030年に建築物解体のピークを迎え、アスベスト被害の拡大が懸念されるなか、「アスベスト被害の根絶をめざすシンポジウム」が7月22日、新宿区のけんせつプラザ東京で開かれました。会場とオンライン合わせて約350人が参加。東京土建が主催し、専門家や被害者団体、市民団体が建設現場や災害時の飛散防止、被害者救済などの課題を報告し、2030年に向けた対策強化を訴えました。日本共産党の山添拓参院議員、大山とも子都議のほか、参政党の吉川里奈衆院議員、国民民主党、れいわ新選組など各党・会派の議員も参加しました。

 第1部「建設アスベスト被害、災害時の暴露問題、2030改修解体問題」では、建設現場の被害実態や救済、2030年を見据えた再発防止策などが報告されました。

 建設アスベスト訴訟全国連絡会の清水謙一事務局長は、建設業従事者は全産業の1割にも満たない一方、アスベスト労災認定者の約3分の2を占める現状を示し、「戦後最大の労災職業病」と指摘。2021年最高裁判決を受けて建設アスベスト給付金制度が創設されたが、現在も44人が救済対象と認められず裁判が続いていると報告。給付金も、生活を支えられる十分な額ではないとして、「被害者全員の救済へ制度改善が必要だ」と訴えました。

報告する建設アスベスト訴訟全国連絡会の清水氏=7月22日、新宿区

 一般社団法人建築物石綿含有建材調査者協会の外山尚紀副代表理事は、2020年の法改正で事前調査の厳格化や除去作業時の対策強化など制度は前進した一方、「法律ができても現場で調査できる人材が十分育っていない」と指摘。2016年に約800人だった調査者は「2026年2月には約27万人まで急増したものの、多くは実地研修を受けておらず、資格だけでは適切な調査はできない」と警鐘を鳴らしました。同協会では全国で年間約20回の実地研修を計画し、調査技術の向上に取り組んでいます。

 また、能登半島地震でのアスベスト飛散事例を踏まえ、環境省に再発防止やボランティアの安全確保など4項目を提言し、災害時マニュアル第4版(2026年4月)の改定につながったことを紹介。「施工や解体・除去工事には多くの課題が残る」と改善の必要性を訴えました。

被害救済してこそ

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