知識ある人こそ被害に 急増するネット詐欺 金東煥弁護士に聞く〈2026年9月20日号〉
- 2026/9/19
- 暮らし・生活
警察庁が9月に発表した今年上半期の特殊詐欺件数は、昨年同時期と比較して大幅に上昇しています。ネットを用いた詐欺は金額ベースで45%増となっており、特にSNS型投資詐欺(認知件数)は2倍に膨れ上がっています。詐欺の被害者について「だまされた方も悪い」という見方も多くありますが、最近の詐欺は手口が巧妙化しており「自分はネットに慣れているから大丈夫」と思っていた人が被害に遭う件数が増加中だといいます。弁護士で消費者問題に取り組む金(きむ)東煥(どんはん)弁護士にアドバイスを受けました。

手口は主に三つ
ネットを用いた詐欺の主な手口は大きく三つに整理できます。一つ目は信頼関係を築くもの(SNS投資詐欺、国際ロマンス詐欺、副業の誘いなど)です。マッチングアプリ(交際相手との出会い)やSNSなどのダイレクトメッセージをきっかけに時間(時には数カ月間)をかけて信頼関係を構築し、将来の話もしながら送金を求めます。
投資型の被害は若者に限られません。SNS型投資詐欺では、老後資金や資産形成への不安につけ込まれる中高年の被害が目立ちます。一方、若者に対しては、副業や投資の「もうけ話」を入口に、複数の消費者金融から短期間で借り入れをさせる手口があります。年齢を問わず、将来への不安につけ込み、他者に相談したり冷静に考えたりする時間を与えず、送金を急がせる点が共通しています。
言葉巧みに本人の感情を乱し、他者への相談や考える時間を与えないという特徴があります。1日で複数社に借入れをさせて犯罪を完結させたケースも存在します。成人年齢の引き下げで被害の裾野が広がることも懸念されます。
国際ロマンス詐欺は相手に恋愛感情や親近感を抱かせ、恋愛や結婚をほのめかすやりとりの中で金銭の送金を依頼してくるものです。いずれも被害者の心の隙間に入り込み、送金を急がせることが顕著だといいます。

二つ目は企業、警察などの公共機関になりすまして送金を促すもので「あなたが捜査(調査)対象です」などとして逮捕などの文言で不安あおる傾向です。さらに「あなたの口座が犯罪資金の洗浄(マネーロンダリング)に使われているから、捜査のために、口座のお金を捜査機関に送金してください」などと言葉巧みに送金させるもので、当事者は不安でパニック状態になり送金してしまいます。
金弁護士は「犯罪者は急がないと特典がなくなるとか、逮捕などの言葉で他者との接触の時間を与えないようにします。捜査機関は『逮捕状が出ています』などと絶対に本人に伝えません。そのような会話は詐欺だと思って下さい」と強調します。
三つ目は被害を受けた人に対して、「被害額を回収する」と士業などをかたり、着手金などの名目で振り込ませるものです。「『絶対に取り返せます』という業者は疑ってかかる必要があります」と金弁護士は指摘します。










