「厚労省は行政検査に固執し、そのためにPCR検査は著しく制限され、逆に我々の安全性が脅かされることになった」―未曾有のパンデミックを起こしたウイルスに関する最新の科学的知見を伝え、ベストセラーとなっている、黒木登志夫氏の著書「新型コロナの科学」に出てくる言葉です▼著名ながん研究者でサイエンスライターでもある黒木氏は、日本のコロナ対応を振り返り、対策のベストテンとワーストテンをあげています。ベストテンの一位は「国民」。行動を自粛し、マスク着用、手洗いの励行、さらには経済的な苦境にも耐えたと評価します。他方で、ワーストテンの一位、二位は、「PCR検査」の抑制と、その抑制を主導した「厚労省」です▼同書では、日本のコロナ対応を検証した民間臨調の報告書から、厚労省がPCR検査の拡大に反対するため、昨年5月に国会議員などに配布した内部文書を示しています。そこには“検査の拡大は、医療崩壊を起こす”との反対理由が記されており、黒木氏は「本末転倒」と断じます▼検査の積極的な拡大による、感染者の保護こそが、医療体制を守ることは各国の知見です。検査の抜本的な拡大に踏み切るには、厚労省が自らの検査を抑制する姿勢の誤りを認めてこそ、です。
東京民報2021年4月18日より










