無実だからがんばれた 袴田事件 再審受け映画が緊急上映〈2023年5月14日号〉

 東京高等裁判所が袴田事件の裁判のやり直し(再審)を開始する決定を出したことを受け、同事件を扱った金聖雄監督のドキュメンタリー映画「夢の間まの世の中」(2016年119分)が都内で緊急再上映されました(現在、上映終了)。4月16日、犯人とでっち上げられ48年間投獄されていた袴田巌(はかまだいわお)さんの姉、ひで子さんが舞台あいさつに立ちました。

姉・ひで子さんが語る

舞台あいさつで巌さんについて語るひで子さん=4月16日、中野区

 スクリーンの中で袴田巌さんは家の中をただ歩きまわります。足腰が弱らないように、独房の中で死の恐怖から逃れるように、そうしていた名残をうかがわせます。長期に渡り死刑囚として拘留され、心身ともにむしばまれている様子が見て取れますが、ひで子さんは気に病む様子もなく見守ります。何気ない日常がそこにありました。

 カメラは巌さんが釈放された翌日から2人を追いますが、そこには「冤えん罪ざい」に苦しめられたうつうつとしたきょうだいではなく、未来を信じて笑いあう姿がありました。

 「袴田事件なんてうそなんだ。冤罪はもうない」と言い続けてきたと言う巌さんは、完成時に映画を見て「こんな映画はうそなんだ。わしゃあんなによぼよぼじゃねえんだ」と、金監督に感想をもらしたといいます。

 今回の上映後、ひで子さんは再審を求め続けた半世紀近くを、「無実だからがんばれた」と笑顔で語ってくれました。「だって事件の2日後、家に来て会ったけど、全然いつもと(様子が)変わらない。4人も殺していたら普通に話せないでしょう」と続けます。「今だから言えるけど、巌には何も心配しなくていい。一緒にたたかうとも言いました」

 一方で、「巌は病院でだされた薬でも絶対に飲まないんです。さい疑心なのでしょうね。砕いて味噌汁に混ぜたりするんです」と、自宅で暮らす日々には他人には想像のできない苦労もあることを感じさせます。

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