カスハラ防止条例案に憂慮 東京自治労連弁護団 「十分な議論を」〈2024年10月6日号〉

 大声で従業員を威圧するなど顧客からの不当な要求や嫌がらせが社会問題になる中、東京都が9月都議会に提出する「都カスタマー・ハラスメント防止条例案」(カスハラ防止条例案)を巡り、東京自治労連弁護団は9月19日、「強く憂慮し、十分な議論を求める」との声明を発表しました。

 同弁護団は声明で「カスハラ自体が許されず、就業者の安全・健康を守るべきことは当然」としたうえで、条例案について、「カスハラの定義を抽象的かつ広く規定し、これが適用される者は、公職を含めたすべての者であり、カスハラの内容に関する事項を定める指針の内容は、無限定に東京都当局に委任されているという特徴がある」と指摘。

 「無限定なカスハラの規制は、顧客のクレーム、言動などのうち、正当なものを委縮させる可能性があり、顧客の憲法上の権利である表現の自由(特に政治的表現の自由・憲法21条)、財産権(憲法29条・第1項)を害する恐れがある」と強調しています。

 さらに、都民による首長・議員に対する平穏な政治的要求であっても、都が作成した指針上「正当な理由がない過度な要求」「その他不当な行為」に該当すると判断すれば、「カスハラに該当すると判断される可能性がある」としています。

 そのうえで、カスハラ防止条例が「都民・公務労働者の政治的表現の自由、財産権と対立する可能性が否定できず、極めて慎重に考えるべき」だとし、都議会での十分な議論を求めています。

東京民報2024年10月6日号より

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