
神宮外苑(港・新宿区)の再開発で、貴重な樹木を多数伐採し野球場やラグビー場を建て替える計画を巡って、三井不動産など事業者が提出した計画「見直し」案が都環境影響評価(アセスメント)審議会(21日)で報告されるのを前に、ユネスコ(国連教育科学文化機関)諮問機関イコモスの日本国内委員会は17日、都庁で記者会見しました。
「神宮外苑の文化的遺産を完膚なきまで破壊するものであり」「かけがえのない文化遺産が東京から失われることに、世界の人々が重大な懸念を抱いている」。日本イコモスの石川幹子理事は事業者と施行認可した都に対し、科学的検証や民主的手続きなど真摯な対応を求めました。
石川氏は事業者にアセス評価(昨年1月)でイチョウ並木を「すべて健全」としていたことに触れ、「イコモスが樹木医と行った調査で、衰退が顕著なイチョウがあると指摘してきたのに審議会は応じなかった。事業者が『見直し』案で衰退の事実を認めた」とし、見逃してきた審議会の倫理的責務を問いました。
石川氏は「見直し」案が「(伐採などの)本数に言及しただけで、緑の質を全く考慮していない」と批判。100年かけて育ててきた「建国記念文庫の森」の森林群落がラグビー場の移転建て替えで破壊され、希少なヒトツバタゴの成長ができなくなると述べました。
また新野球場の移転建て替え位置を当初案から10メートルセットバックすることを巡って事業者から何の説明もないとし、「都市計画審議会で地区計画の見直しも必要になるのに、(それを経ないで)伐採に進むのは法的には非常に大きな問題だ」と語りました。
会見には国際影響評価学会の原科幸彦・千葉商科大学学長も同席し、国連人権理事会の作業部会が同再開発を例に、日本の環境アセスについて、住民協議は不十分で人権に悪影響があるとしたことに触れ、「一方的な説明ではなく、意味ある応答、意味ある参加がないといけない」と強調しました。
東京民報2024年10月27日号より












