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都議会決算特委 都民の暮らしにこそ光を “26億円”巨大噴水に知事の意向?〈2024年12月1日号〉
- 2024/12/3
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都議会は小池百合子知事の出席のもとで2023年度決算を審議する公営企業会計決算特別委員会(公決)を11月18日、各会計決算特別委員会(各決)を11月20日にそれぞれ開き、予算執行の問題や課題について知事をただしました。公決では再々の求めにも小池知事は一度も答弁に立ちませんでした。

共産党 和泉都議が追及
公決には日本共産党から和泉なおみ都議(葛飾区選出)が立ち(持ち時間39分)、小池知事が都民の意見も聞かずに突然打ち出した、お台場海浜公園(港区)の海上に計画する「世界最大級の噴水」整備について、知事の意向が強く働いた疑惑を追及。23年度予算案を「光輝く都市へと確実に進化し続ける予算」との説明を引用し、「光を当てる所が違う。計画を中止し、都民の暮らしと営業にこそ光を当てるべきだ」と迫りました。
小池知事は9月の都議会定例会で「東京の新たなランドマーク」にするとして、噴水「ODAIBAファウンテン(仮称)」の整備計画を表明。都港湾局は2025年度予算要求で噴水整備費26億円を計上。完成後の維持管理費は年2億円が見込まれます。
和泉都議は「知事の念頭にあるのは高さ150メートル、長さ275メートルのドバイ(アラブ首長国連邦)ファウンテン」との報道を紹介し、事実かとただしましたが、小池知事は答弁に立ちませんでした。
和泉氏は港湾局が昨年9月と11月の2回に分けて、設置検討を別の企業に委託した理由を質問。「世界最大級」との条件で委託したのかをただしました。
松川桂子港湾局長は「国内最大級であることを求めた。世界最大級との条件は付していない」と答弁。和泉都議は「11月時点では世界最大級ではなく国内最大級の噴水をつくる考えだった。ところが1カ月後に世界最大級と方針を変えた。知事はその時期、COP28のためにドバイに出張されている。世界最大級の規模というのは、知事の強い意向が働いたのではないか」との疑惑を指摘しました。
港湾局は整備費について「臨海地域開発事業会計」から支出するので、都民の税金は使わないと説明しています。和泉都議はお台場海浜公園などが立地する臨海地域の埋め立て地について「都有地であり、その売却益は都民の財産。都民のため、『公共の福祉』のために使うのが当然のことだ」と強調。
その上で公園計画も管理運営も都民参加で進めることを基本的考え方とされているとし、「小池知事が造りたい世界最大級の噴水整備のために26億円、維持管理費に2億円もの都財政を投入することは許されない」と批判し、計画の中止を求めました。
受託会社利益急伸 裏で給水停止急増
和泉都議は水道料金を払えない都民を訪問し、必要に応じて福祉部局につないでいた水道局の訪問催告事業を中止し、郵便による催告に変えたことを質問。「命の水を止めることに躊躇(ちゅうちょ)がなく、一片の痛みを感じていない。知事の意向でプロジェクションマッピングや巨大噴水を進めるのと同様、困窮する都民の暮らしに寄せる思いがない」と批判しました。
水道料金の滞納による給水停止件数は2021年度までは10万件前後だったものが、22年度に17万9000件に激増。都水道局長は2年前の質疑で急増は過渡的なものと説明していましたが、23年度も16万6000件で高止まりしています(グラフ)。

和泉都議は「生活が困窮しているかどうかの実態にかかわらず給水停止を増やしながら、一方で水道局の営業業務を受託している東京水道株式会社は収益を急激に伸ばしている」と指摘。23年度の営業利益は前年度比で2倍、20年度比で10倍(グラフ)、諸経費を引いた当期純利益では前年度比2倍、20年度比122倍と急伸しています。

和泉都議は水道局の委託費が収入の9割を超える東京水道が、労働者から過酷すぎるとの声が上がる一方で、莫大な利益を貯め込むのは「福祉の増進」を目的とする公営企業のあり方として問題があるのではと追及。知事は答弁に立たず、西山智之水道局長は「費用圧縮に努め、経営基盤の強化に向けた普段の取り組みを重ねている」と評価しました。
和泉都議は「訪問催告業務は単にコストで計ることができない重要な役割を果たしてきた」とし、「訪問催告の復活をはじめ、公営企業の本来の目的に立ち返るべきだ」と厳しく求めました。
外苑伐採 世界レベルのアセス条例に
大山都議 森と空、歴史的景観守れ
各決では日本共産党は大山とも子都議(新宿区選出)が質疑(持ち時間35分)。神宮外苑再開発で樹木の移植・伐採に着手したことについて、「都民や専門家の理解と共感は全く得られていない」と批判。政治資金パーティー券の購入を巡って知事と開発事業者との癒着とも言える関係をただすとともに、事業者の計画を追認するだけとなっている環境影響評価(アセスメント)手続きの条例改正を小池知事に迫りました。

昨年の政治資金パーティーで再開発事業者の三井不動産にパーティー券を買ってもらったのかとの質問に、小池知事は「法に基づき適切に対応し、政治資金収支報告書に掲載している」と答えただけで、否定はできませんでした。一方、事業者の三井不動産は今年9月の住民説明会で参加者からの質問に「政党、政治家のパーティー券を適切に購入している」と、事実上認めています。
大山都議は「事業者との癒着とも言うべき関係を改めない限り、都民の声に正面から向き合うことはできない」と批判しました。
都の求めに事業者が9月30日に提出した再開発計画の「見直し案」について、専門家からの「科学的根拠に欠ける」との指摘を挙げ、「環境影響評価条例の理念を体現していると胸をはれる状況ではない」とし、再アセスを求めました。須藤栄環境局長は「環境に著しい影響を及ぼす恐れがあると認められず、審議会で適切だったと確認されている」と強弁しました。
再開発アセスは世界主流の対極
大山都議は日本イコモス国内委員会が指摘していた4列のイチョウ並木の衰退を、2年も経って事業者が認めたことに触れ、外部専門家が意見を述べる道が閉ざされ、評価書に誤りがあっても是正する手続きがないことなどの問題点を列挙。「早期の段階から複数の代替案が示され、別の選択肢を選べ、簡易のアセスを積み重ね情報公開と市民とのコミュニケーションを深めるというやり方が、世界のアセスの主流で外苑再開発は対極にある」として、「条例を世界レベルに引き上げるために直ちに改正を」と提起。神宮外苑の森と空、歴史的景観を守るために全力を上げると表明しました。
大山都議は、70歳以上の都民が都営交通や都内路線バスで利用できるシルバーパスについて、所得制限をなくし、一律1000円にするなど負担軽減を提案しました。
東京民報2024年12月1日号より












