平和な世界を未来の子に 戦後80年に絵本2冊を出版 児童文学作家 こやま峰子さん〈2025年9月14日号〉

 児童文学作家で詩人の、こやま峰子さんは、戦後80年の今年、第二次世界大戦の時期に子ども時代を過ごした自身の人生を反映した、2冊の絵本を相次いで出版しました。来年には90歳を迎える今も、創作への意欲は健在です。平和や子どもたちへの思いを聞きました。

 出版した絵本の一つ「わたしのバラ」(汐文社)は、こやまさんが初めて詩を書いた時の体験をもとにしたものです。

 戦争が終わり、家を焼け出された家族は、江戸川の近くで間借りの生活を始めます。ある時、お母さんが少女に、もらってきたバラの苗を育ててみるか、提案しました。

絵本と平和、子どもについて語る、こやまさん

 少女は丁寧に水をやり、手入れをして、バラを育てます。台風の嵐が来たときは、母とも協力して乗り越え、バラが見事な花を咲かせました。少女は、そのバラのことを詩に書きとめます。

 ふとしたことに心がときめき、詩が生まれる瞬間をとらえた作品です。

 「戦争直後の頃は、花屋なんてなくて、花といって、みるのは、ジャガイモやかぼちゃの花くらい。アンデルセンの童話にバラが出てきて、あこがれていたんですね」

 その詩を、母が褒めてくれました。

 「妹はなにをやるのも早いけれど、私は何をやるのも遅くて…。こんな自分でも褒められることがあるんだと思いました」。詩人として生きていく原点になりました。

 「親御さんには、子どもをなるべく、褒めてあげてほしいんです。私みたいな、取りえのない、ぱっとしない子ほど、褒めてあげると効果的ですよ」と笑みをこぼします。

少年の目から戦時の日常を

 もう一冊の絵本「戦争ってなに?」(地平社)は、少年の目を通して、第二次大戦中の日常を描くものです。

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