職場で女性にのみパンプス(足の甲に支えのない靴)やヒールがある靴を義務付けることに対し、性差別だと声を上げた「#KuToo運動」を展開した石川優実さん。行動は世界的にも関心を呼び、航空機の客室乗務員などをはじめ多くの職場で改善のきっかけとなりました。その後、ジェンダー平等など多くの発信を続け、映画界での性暴力を告発。彼女の発言は注目を集め、賛同する声が多い一方でいわれのない激しい攻撃にさらされました。傷つく中でうつ病と複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)の診断を受け、回復する中での日々をつづったニュースレターをまとめて『私が私を取り戻すまで』(新日本出版社)として出版しました。
―出版のきっかけは
石川 ニュースレターfor My self(ウェブ配信)で自分の気持ちを書き始めた2023年から本にしたい気持ちがありました。その頃はトラウマや複雑性PTSDのことは今ほど一般的ではなくて具体化が進みませんでした。当時に思った事を全部書くことで、不安もありましたが自分の思いを整理できた部分もありました。その後出版のお話を頂きました。
本になって読み返すと再体験というか、きつい部分もあります。本当にしんどい状態だったと客観的に見直すとことができました。

―世間から強い人と思われがちでしょうが、文章から石川さんの優しさや読み手への配慮を感じます。
石川 性暴力の被害者は後々に体調が悪くなってしまうということを、知ってもらう目的がありますが、読んでしんどくなって欲しくないです。
メディアやSNSだけで知っている人からは「言いたいことを言っていいんでしょ」、普通の人とは違うって思う人も多いでしょうが、実際ではそんなに言えないですよ。相手との距離が近ければ近いほど言えなくなるし、みなさんと同じです。
色々と行動してしまうのも、解決しないといけないと思って、動けないのに動いてしまうところもあったと思います。理不尽を感じたからこそ、怒る感覚、モヤモヤを言いたくなるのでしょう。被害がなければ怒ることもなかったし、訴訟もなかった。精神科の先生が「そうしないと生きてこられなかった」とおっしゃったけれど、健康に生きてきての行動ではないので、「すごい」と言われることに複雑な気持ちがあります。













