有料WEB紙面版 2025年11月9日16日合併号

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※PDFの後に、各面のトップ記事などを一部、テキスト版で公開しています。

【1面】

  • 自浄する社会の力信じたい デマと差別許さないと発信 音楽プロデューサー 松尾潔さんに聞く
  • 危険な工事いますぐ断念を リニア 道路隆起で現地調査
  • 国は謝罪し補償せよ 生活保護 引き下げ違法判決受け集会
  • コラム・一分
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【2面】

  • 密室で計画、公の利益壊す 外苑再開発 外国特派員協会で会見 吉良・原田氏、米国作家ら
  • 11月23日 戦後80年に高校生のつどい 「体験聞き平和考えて」
  • 安全輸送の確立求める 私鉄労働者が全国集会
  • 登山文化を次世代に 労山都連盟 創立60周年で記念講演会
  • 葛飾区議選9日投票 共産党から5氏が全力
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【3面】

  • 憲法に基づく政治の実現を 「君が代」強制反対で集会
  • 八丈町 深刻な被害、支援の強化を 山添氏らが現地調査
  • 昭島市 巨大DC「強行やめて」 GLP社前で市民が訴え
  • 【連載】「都立定時制存続を」
  • コラム 砂時計
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【4面】

  • 生存かけた生命の壮大な旅 国立科学博物館で大絶滅展 福山雅治氏がナビゲーターに 「生きる当事者として」
  • 【連載】時空散歩
  • 【連載】文学に読む日本人権紀行
  • みんなの広場
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◆テキスト版◆

 以下に、各面のトップ記事などを一部、テキスト版で公開しています。

1面 自浄する社会の力信じたい デマと差別許さないと発信 音楽プロデューサー 松尾潔さんに聞く

  参院選などを通じて差別や排外主義を掲げる政党や政治家が台頭したことに、危機感を覚え反対する声が広がっています。「デマと差別が蔓延(まんえん)する社会を許しません」と題するアピールを、各界有志12人とともに出した、音楽プロデューサーの松尾潔さんも声をあげる一人です。思いを聞きました。

 ―10月17日に新宿駅前で開いたアピールの2回目の街頭宣伝で司会を務められ、ステージ上で「ここから見る景色は美しいですよ」と話された姿が印象的でした。

 金曜日の夜の新宿駅ですから、いろんな方たちが行き交いますよね。一週間、仕事を終えて家路を急ぐ人もいれば、これから新宿で気晴らしをしようという人もいる。全国各地から来たり、これから夜行バスで地方に帰る人もいるでしょう。そういう「通過点」である駅で、多くの人が足を止め、コミュニティを形成し、連帯感とか共有感を得られる「場所」ができた。そのことに、自由や希望を強く感じました。

多様なトーンこそ

 ―1回目の街宣はシンガーソングライターの春ねむりさん、2回目はラッパーのダニー・ジンさんのライブがあり、聴く人たちがビートに合わせ体を動かしていました。

 タムトモさん(2回目に参加した田村智子・日本共産党委員長)も、ノリノリでしたね。

 音楽の世界で長くプロデュースをしてきましたから、政治家とはまた違う形で、社会や政治に対して発信しているアーティストを、あの場につなげる役割を果たしたいと思っていました。僕はよく「ラブソングを語ったその口で、社会のことを語ろうよ」と言ってきましたが、その実践でもあります。

 語るトーンは様々にあった方が良いと思うんです。政治家の歯切れのよい訴えが良かったという人がいてよいし、家に帰って寝る前にライブでのラップの一節がふと心に浮かんだという人がいてもよい。重層的に、さまざまな語り方がステージで繰り広げられ、そこにハーモニーが生まれたらと思います。

封殺された声が

 ―音楽や文化は社会の毛細血管のようなものとよく話されています。

 社会を人体になぞらえれば、政治や経済は大動脈です。僕が関わってきた大衆音楽は、毛細血管のようなもので、一見、なくなっても命にかかわりないように見える。しかし、毛細血管の動きが弱まれば、体がしなやかな動きを失います。社会全体が硬直しないために、やっぱり欠かせないものです。その意味で、コロナ禍でライブハウスやミニシアターが苦境に陥ったときに、「つぶしてはならない文化の砦とりで」だと言ってくれた吉良さん(よし子・日本共産党参院議員)には、心から感謝しています。

 ―近年はジャニーズ性加害問題など、芸能界のさまざまな問題にも積極的に発言されています。

 演者ではないけれども、長く音楽業界、芸能界に身を置いてきました。僕自身、芸能界のきれい事ではない部分、わい雑な部分も含めて好きで、関わってきた部分も、確かにあるんです。清濁併せのみ、泥水に根を生やしてこそ、美しいハスの花が咲く、みたいな感覚で。

 でもジャニーズや宝塚、歌舞伎など、名門とか老舗と言われていた世界で、泣き声をあげながら、ないものとして封殺されて来た人たちが、これだけいると明らかになってしまった。もう、元に戻るわけにはいきません。

 ハスは泥水の上でこそ美しく咲きますが、清浄な水の上だからこそ美しく咲く花だって、たくさんあるじゃないですか。業界全体が、次のフェーズ(段階)に向かわないといけないと思います。

手ごわい相手でも

 ―文化を大切に思われているからこそ、発信されているんですね。

 業界の事情をのみ込んで、目をつむるのが「大人」なんだといって放置されてきた病理は、芸能界だけでなく、政治でも、実業界でも、日本の各分野に相似形のようにあると思います。日本という国の構造の問題だととらえて、変えていく時です。

 文化は、社会のしなやかさを保つ大切なものだという思いは、デマや差別を許さない活動にもつながっています。いまSNSの世界では、差別的な言葉やデマが、銃弾のように飛び交っています。それは人の命を奪う事態まで生んでいます。この現状をどうにかしたいと自分を発奮させるために、「デマと差別が蔓延する社会を許しません」アピール呼びかけ人の肩書で、名刺も作りました(笑)。今後も様々な取り組みをやっていきます。

 排外主義の広がりには、それだけの危機感を持っています。差別は人を殺すし、殺す時の方便にもなる。手ごわい相手だと思いますが、私たちには自浄する力もあるのだと信じたいんです。

2面 密室で計画、公の利益壊す 外苑再開発 外国特派員協会で会見 吉良・原田氏、米国作家ら

  神宮外苑再開発(新宿区・港区)でラグビー場建て替えの認可手続きを巡って緊迫した状況が続く中、作家でジャーナリストのロバート・ホワイティング氏、日本共産党の吉良よし子参院議員、原田あきら都議は10月30日、日本外国特派員協会(千代田区)で記者会見し、それぞれの立場から計画の見直しを強く訴えました。

 この再開発計画は、東京で最も歴史ある緑に恵まれた公共性のある地域で行われ、神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を交換しての建て替えや、超高層ビル、商業施設、ホテルなどを建設するもの。多数の樹木が伐採されます。多くの都民や専門家、文化・芸能人らが反対の声をあげ、現在2件の訴訟が進行中です。

 しかし文部科学省は再開発で建て替える秩父宮ラグビー場の財産処分を8月に認可。東京都は9月、全体計画がまだ提出されていないのに新ラグビー場建設の設計変更を認可しました。現在、ラグビー場の設計変更に伴う権利変換計画の都知事の認可を巡って、緊迫した状態が続いています。

 吉良議員は、政府の責任を追及してきたことを紹介。「国に再開発の責任はなく見守るだけと繰り返すが、イコモスや国連人権理事会作業部会からの国への指摘やラグビー場は国民の財産という点からも国にも責任がある」と強調。

 さらに国が国連人権作業部会の報告にあった『開発で人権に悪影響を及ぼす可能性がある』との記述の削除を国連に要請したことや、財産処分認可申請の認可が通常2~3カ月かかるところ1週間で認可した理由として、申請前の協議や事業者からの要請だと認めたことを挙げ、「国は無責任なだけでなく事業者側に偏った公平性に欠ける姿勢だ」と批判。引き続き国会で追及し、計画の撤回、見直しを求めていくと表明しました。

 原田都議は政官財の共謀で「密室」の中で計画が練り上げられ、公共の利益がいかに私的利益のために踏みにじられているかを入手した資料をもとに都議会で追及してきたことを紹介しました。

 原田氏は「外苑再開発は単なる民間事業ではなく、国民共有の財産を使い、容積率緩和で都市計画公園に超高層ビルの建設を特別に可能にしたもの」と指摘。計画自体も都幹部が森喜朗元首相や萩生田光一・現自民党幹事長代行と水面下で協議し、神宮球場と秩父宮ラグビー場の土地交換による建て替えが樹木伐採の原因となったことを強調しました。

 野球をテーマにした著作を多数著しているホワイティング氏は、神宮外苑の歴史的・文化的意義を紹介し、1926年開場の明治神宮球場が日本野球史において果たしてきた役割を語りました。

 ホワイティング氏は1962年からの神宮球場との自らの関わりを紹介した上で、「100年の歴史がある神宮球場は、野球ファンの聖地で不可欠の存在」だと強調。

 「公共の森としてつくられた外苑に、超高層ビルや商業施設を造るのは、東京の歴史を台無しにするもの。神宮球場は野球の歴史にあふれる場所で、建て替えは日本の野球のアイデンティティーを壊す」と主張。「私たちには次の世代に引き継ぐ責任がある」として、建て直すのではなく、改修をと訴えました。

 記者から「開発に歯止めをかけるためには、どうすればよいか」との質問が出され、原田氏は「開発中止を求める署名が36万人分寄せられ、多くの著名な文化人も声を上げている。大事なのは声をあげること。政治家と大企業が癒着した非民主的なまちづくりの問題として批判が広がるのではないか」と述べました。

3面 憲法に基づく政治の実現を 「君が代」強制反対で集会

 「日の丸・君が代」不当処分撤回を求めて10月26日、日比谷図書文化館(千代田区)で「学校に自由と人権を10・26集会」が開かれました。「日の丸・君が代」を強制する都教委の10・23通達(2003年)に反対する裁判の原告団・元原告団が共同で毎年10月に開催してきたものです。

 被処分者の会の近藤徹さんは、「今回、講演する稲葉剛さん(つくろい東京ファンド代表理事)が関わる『いのちのとりで裁判』は、憲法に基づき、国民一人一人を大切にするべき政治の実現を目指す点において、『日の丸・君が代』強制反対の裁判と共通している。共に手を取り合って闘いたい」と開会のあいさつで呼び掛けました。

 1994年から新宿を中心にホームレスの人々の相談支援に取り組んできた稲葉さんが「生活保護をめぐる動き」について講演しました。

 冒頭で稲葉さんは、生活保護費の引き下げの違法z性を問う「いのちのとりで裁判」で、6月27日に最高裁判所が原告勝訴とした判決に、国が謝罪や被害回復の方向性を明らかにしないことに触れ、「政府が判決に従わず、三権分立を無視する姿勢だ」「政権が変わり、ますます、憲法第25条生存権の保障と生活保護法をないがしろにして、貧困の拡大と放置につながる危険性がある」と厳しく批判しました。

 厚生労働省人口動態統計から、日本でも死因が「食糧の不足」で亡くなる絶対的貧困があることや、群馬県桐生市の生活保護の利用を抑制する「水際作戦」を紹介。路上生活者が急激に増えた1995年ころが生活保護の利用者数が一番少なかったのは、苛烈な「水際作戦」等の生活保護行政における不適切さが影響したと指摘しました。

 稲葉さんは、「生活保護の利用者に『不正受給や不適切受給』がまん延しているかのような印象操作がある。これは、モラルパニックを誘発し、国民感情に訴えることで生活保護費の削減や管理強化を狙うものだ」と危機感を語りました。

 さらに、「生活保護の基準は、私たちの社会の基盤を支え、47の低所得者支援の制度と連動し、基準が下がると他の支援制度も利用しづらくなる。人の命を守ること、くらしを支えることに公費を使えと声をあげましょう」と訴えました。

 2部では、トリオバンド「いなのとひらのとこば」さんが、世相や政治の社会風刺、多様性をテーマに、時には手話を交え、笑いを誘うライブをしました。

 特別報告では、東京「君が代」裁判五次訴訟原告団の鈴木毅さん、弁護団の加藤文也さんが、7月31日の東京地裁の判決で、これまでも認められていた「原告2人に対する減給処分の取り消し」に対し、都教委が控訴し、第五次訴訟が継続することを報告。10・23通達と処分撤回の闘いを風化させないよう粘り強く闘うことを誓いました。

 「学校と人権を10・26集会」アピールが、参加者の大きな拍手で採択され、閉会しました。

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