有料WEB紙面版 2022年12月25日号

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【1面】

  • 発がん性物質PFAS「都は汚染源特定し対策を」多摩地域 都調査で21自治体検出
  • 年末年始 住まい提供、福祉窓口を 都議会超党派が要請
  • コラム・一分
  • 新型コロナ感染 都内の状況
1s-2

【2面】

  • 「主張無視の手抜き判決」北区73号線裁判 高裁も棄却
  • 環境確保条例可決「太陽光パネル都民の納得で」都議会閉会 原純子都議が討論
  • 都民の暮らし守る予算に 革新都政の会が要請
  • 「同じ制度で婚姻させて」結婚の平等訴訟 原告が控訴
  • 学びと成長の時間奪うな 渋谷図書館 再開求め署名スタート
  • 【連載コラム】「健康生活」非常時こそ科学守るのが重要 接触者は検査陰性後24時間で隔離解除
  • 西東京市議選 共産党4氏 暮らし守る市政に
  • フラッシュ@T
2s-2

【3面】

  • 背景に構造的な過酷労働 相次ぐ路線バス事故
  • 「実子誘拐」は事実無根 弁護士「共同親権推進に利用」
  • 【新連載コラム】最低賃金1500円に② 生活の費用を科学的に
  • 池上保子のかんたん料理No.158
  • 【国会議員コラム】「山添拓*未来を拓く」軍拡にも増税にもNOを!
  • 街角情報
  • まちがいさがしポカポ家族 とうきょうクロスワード 詰碁・詰将棋 問題と答え
3s-2

【4面】

  • 赤いレンガの〝平和の門〞中野区 豊多摩監獄表門が文化財に
  • 【連載】「アンネフランクを訪ねて⑳」ビルケナウ強制収容所でのアンネ
  • 「ベルクへの旅」第14回 ベルクの最高のつまみ
  • パシャ
  • みんなの広場
  • (漫画)ママはminminギャルママ(327)
4s-2

◆テキスト版◆

 以下に、各面のトップ記事などを一部、テキスト版で公開しています。

1面 発がん性物質PFAS「都は汚染源特定し対策を」

多摩地域 都調査で21自治体検出

 発がん性など健康への悪影響が指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が、多摩地域で水道水に使われる井戸水から広範に見つかっている問題をめぐり、東京都水道局による調査で、何らかの濃度でPFASが検出された浄水所は、多摩地域の30市町村のうち21自治体40浄水所に広がっていることが分かりました。都や国に、PFASの汚染源を特定して対策を取るよう求める声が広がっています。

 都内23区では水道に河川からの水を多く使っているのに対し、多摩地域の水道では井戸水が広く使われてきました。

 水道局ホームページでは、2004年から現在までの各浄水所の井戸の原水、浄水、給水栓水(蛇口)について、PFASの一種であるPFOA(ピーフォア)とPFOS(ピーフォス)の測定結果を公開しています。

 検査をしていたものの、都民に公開していなかったデータで、報道でPFAS汚染に注目が高まり、情報公開を求める動きがあったことなどを受けて、2021年に全面公開したものです。

 東京民報は、各浄水所で2004年から21年までの間に、PFOSとPFOAの合計で最も高く検出された値を集計し、地図にまとめました。多摩地域全体に汚染が広がり、特に東中部地域に高濃度の汚染が見つかっていることがわかります。

 1リットルあたり100ナノグラムを超える汚染が見つかっているのは、府中、調布、小金井、小平、国分寺、国立の6自治体です。さらに、40~99ナノグラムの汚染が見つかっているのは立川、日野、西東京、狛江、東久留米と5自治体あります。

 都水道局は、高い濃度でPFASが検出された一部の井戸は、取水を停止。他の井戸については、濃度が高くなった場合は対策を取るなどして、給水栓(蛇口)における濃度は、国が2020年4月に定めた暫定目標値(PFOSとPFOAの合計で1リットルあたり50ナノグラム以下)を下回るよう管理していると説明しています。

 その一方、PFAS対策が進むアメリカでは、抜本的に飲料水の基準を厳しくする動きが出ています。アメリカの環境保護庁(EPA)は、従来の1リットルあたりPFOSとPFOAの合計で70ナノグラム以下としていた基準を、1リットルあたりPFOSを0.02ナノグラム以下、PFOAを0.004ナノグラム以下に厳しくするとしています。

横田基地も泡消火剤で

 EPAは、「PFASの人間の健康と環境へのリスクの現在の理解」という文書で、人体への影響について、前立腺がんや腎臓がんなど一部のがんのリスクが高まることや、妊婦の生殖への影響、低出生体重などの可能性を指摘しています。

 PFASは、自然界でほとんど分解されず「永遠の化学物質」とも呼ばれます。撥水加工などで多くの製品に使われたほか、航空事故の際の泡消火剤にも使われたため、化学工場や米軍基地の周辺などで深刻な汚染が見つかっています。

 多摩地域のうち武蔵野市、昭島市、羽村市、檜原村の4自治体は、独自の水道事業を行っています。また、個人が所有する井戸もあり、さらに多くの自治体に汚染がある可能性があります。

 東中部地域に深刻な汚染が見つかっている理由について、市民団体「多摩地域のPFAS汚染を明らかにする会」共同代表の根木山幸夫さんは、「東京の地下水の流れには、未解明の部分が多く、確定的なことは言えない」としたうえで、昭島市など一部の自治体が行っている地下水の流れの調査で、地下水が西から東に流れる傾向がわかっていることを指摘します。

 横田基地(福生、武蔵村山、羽村、立川、昭島、瑞穂の5市1町)では、泡消火剤が消火訓練などで定期的に使われていたほか、多摩地域には化学工場も立地しています。これらが汚染源となり、地下水の流れにのって広がった可能性があります。

 根木山さんは「井戸水は、多摩地域の住民の生活や産業を支えています。こんなに広範に深刻な汚染が見つかっているのに、東京都は汚染源を特定せず、放置していていいのか」と強調します。

 根木山さんら「明らかにする会」は、多摩地域で11月から、自主的な血液検査に取り組んでいます。住民の血液にどれくらいのPFASが蓄積しているのかを明らかにすることで、都や国による大規模検査と対策につなげようというものです。すでに9会場11回の血液採取が決まっており、広く参加を募っています。申し込みや詳細は会のホームページで。

2面 「主張無視の手抜き判決」 

北区73号線裁判 高裁も棄却

 北区十条地区の住民ら60人が控訴人となり、国と東京都に対して都市計画道路・特定整備路線補助73号線の事業認可取り消しを求める控訴審で、東京高裁(渡部勇次裁判長)は16日、原判決は相当であると判断し、控訴人の訴えを棄却する判決を言い渡しました。控訴人は判決を不服として、最高裁に上告する構えです。

 都が防災性の向上などを口実に整備を進めている特定整備路線の補助73号線は、北区上十条2丁目から十条仲原2丁目に延長約890メートル(幅員20~30メートル)の道路を新設する計画。十条地区は補助73号線の整備とともに、「まちづくり」と称してJR埼京線十条駅西口地区の市街地再開発事業と、補助85号線の拡幅事業が進行中。これらにより、約600軒、2100人の住民が立ち退きを迫られており、街並みが様変わりしつつあります。

 二審の争点は、▽都市計画の違法性の判断基準は事業認可時(2015年)とすべき▽都市計画の違法性の判断枠組みについて、都は社会経済情勢に関する調査や費用対効果の分析などが不十分▽事業区間の不燃領域率は2012年6月時点で平均47.6%に達しており、延焼遮断帯としての補助73号線の必要性は乏しい▽人口の将来的減少が予想され、交通量も当然、減少に転じる▽事業施行期間において、いまだに用地取得率が低く、非現実的。さらに、事業予定地内にある家政大学付近、2400平方メートル強の国有地を民間の不動産会社に売却して住宅地にした行動は不合理であるーなど、控訴人は法廷で主張してきました。

生活奪う人権問題

 閉廷後の報告集会で、控訴代理人の木本茂樹弁護士が判決内容について説明。「一審の判決からほとんど変わっていない」と前置きし、「控訴審で主張したことについて、ほぼ判断されていないのが実態。およそ納得できる内容にはなっていない」と批判しました。

 また、道路建設が莫大な費用に見合うだけの効果があるのかという原告の訴えに対する判示がないこと、事業予定地内の国有地を民間に売却して住宅地にした不合理な行動に関する部分に触れていないことを指摘。木本弁護士は「手抜き判決と思うのが正直なところ」と述べました。

 控訴人からは、「私たちの人権や財産権が軽く見られている」「裁判の中で我々の思いがくみ取ってもらえていないことを痛切に感じた」など、判決に対する意見が飛び交いました。

 大谷恭子弁護士は、「道路をつくることで単に家だけでなく、生活する権利が奪われる人権侵害の事案であり、憲法問題」と強調。「困難なたたかいになると思うが、最後のとりでの最高裁に訴え、最後までやり抜いてほしい」と力を込めました。

 控訴人副代表の小林清二氏は、「(暴走する)行政に対して訴えを起こすことは、一種のブレーキ役を社会的に果たしていると思う。裁判の勝ち負け以上に意味がある」と発言。控訴人代表の岩波建光氏は、「勝負はこれから。最高裁でどのような結果になっても、どんと構えて元気に楽しくたたかいましょう」と、前向きに語りました。

3面 背景に構造的な過酷労働 相次ぐ路線バス事故

 神奈川中央交通(本社・神奈川県平塚市)の路線バスが町田市能ヶ谷7丁目の住宅に突っ込む事故が11月18日午後8時20分頃に起き、子どもを含む男女8人がけがをしました。事故現場はバスの運行ルートから外れた閑静な住宅街の一角で、バスを運転していた男性運転士は事故当時に「貧血で意識を失っていた」と警察の調べに答えているといいます。路線バスの事故は各地で相次いでおり、運転士個人の問題だけなのか取材しました。

運転士「睡眠確保できない」

 事故を起こした神奈川中央交通は神奈川県、山梨県に路線を持ち、東京では町田市や多摩市、八王子市などで通勤通学の足として路線バスや貸し切りバスを担う他、東京駅などからの夜間高速バスも運行する小田急電鉄の持ち分法適用会社(グループ会社)です。事故を起こしたバスは多くの学校、大学の最寄駅である小田急線鶴川駅から発車する平和台循環路線のワンマン運転で、運転士1人で金銭授受などを含めて対応していました。

 事故現場はセンターラインと歩道のない住宅地の対面通行道路で信号のない交差点を右折するはずのバスは、ルートを外れて直進し事故に至りました。都立町田高校そばで鶴川第二小学校の通学路にもなっています。近隣住民は「驚きました。通学時間での事故だったら大変なことになっていたかもしれません」と驚愕きょうがくの表情で語ります。

 同社で30年以上ハンドルを握る運転士は「乗り合いバスの規制緩和(2002年)以来、安全管理は後回し。経営側の安全に対する意識が希薄になり、事故への意識が麻痺している」と警鐘を鳴らします。ワンマンバスでは安全確認や運転だけでなく、車内アナウンスや安全配慮、金銭管理などマルチタスクを求められています。「機械化が進む一方で車内でやることが増え、休憩時間は減らされている。自動アナウンスもスイッチを入れれば放送されるのに、肉声で行うよう指導され、人事評価の対象とされる」と訴えます。

 さらに「定刻運行の順守を求められるが、ダイヤそのものに余裕がなく『先急ぎの心理』が常に働き確認が甘くなりがちだ。車イスやベビーカーへの対応があれば遅延する」と分析。公営の路線バスと比較してダイヤに弾力性などはなく「利益をもたらす道具のような扱いだ」といいます。

 同社は規制緩和後、他社同様に会社を分割して運転士の賃金を低くする施策を進めてきました。30年以上乗務するベテラン運転士で基本給は25~28万円で残業をしないと生活が成り立ちません。

 月の所定残業時間は55時間。午前6時から午後9時過ぎまでの15時間の拘束時間の日が月に10日を超すことも常態化し、乗務以外の待機時間は勤務時間に算入しないなども横行。退社時刻から出勤時刻までのインターバルが8時間という日も少なくありません。「通勤時間が片道30分でも食事や入浴、家族との時間を最低限にしたとしても睡眠時間が確保できない。疲弊し神経が休まらないので寝付けない。睡眠時間が4時間ということもある。寝てないのだから安全ではありません」と話します。

業界全体の問題

 ある運転士は「5日連続勤務の内3日間はインターバルが8時間。1、2日目は15時間拘束の長時間勤務で、3日目が始発便運転のために4時台に出勤する早朝勤務、4日目に長時間勤務、5日目が早朝勤務というのが実態」と勤務実態を告発。「これでもコロナ禍による減便などで少し余裕があるくらいです。過酷だから事故が減りはしません」と語ります。同社の営業所では年頭の事故目標が8件とされることもあり、「“事故はあるもの”でゼロにする気がない」といぶかる声もあるといいます。

 路線バス事業者では低賃金、長時間労働が横行。従業員の定着率が低下し、運転士も高齢化していることから健康問題も深刻化していますが、「勤務評価の引き下げを恐れ服薬や通院などについて申告できないこともある」のが実態と複数の会社の運転士が指摘します。「バス事故は乗客と運転士のみならず、歩行者も巻き込めば大惨事になる可能性がある。業界全体の対策が急務」との現場の声を、監督官庁の国土交通省も含めて受け止める時です。

 

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