〈一分11月8日号〉「前政権以来、この国の指導者たちの日本語破壊が目に余ります」―菅首相による、日本学術会議会員候補の…

 「前政権以来、この国の指導者たちの日本語破壊が目に余ります」―菅首相による、日本学術会議会員候補の任命拒否に対して、古事記や日本書紀など「上代日本文学」を研究する学会・上代文学会が出した抗議声明の一節です▼声明は、戦前に津田左右吉の古事記や日本書紀の研究が「神武紀元二六〇〇年」の虚構を暴くからと国家権力に弾圧された歴史に触れ、今回の任命拒否を「非常識極まる」と批判。さらに、拒否の理由を説明せず無効な言い逃れに終始する、菅氏のような手法が横行すれば、日本語そのものの力を低下させると懸念を表明しています▼菅首相による初の国会論戦として注目された、10月29?30日の衆参代表質問での首相の答弁は、上代文学会の懸念そのままのものでした。野党側が、任命拒否は憲法や学術会議法に違反することを様々な角度で示しても、首相は同じ言葉を繰り返すばかり。学術会議の「多様性」確保という理由についても、ではなぜ女性や私立大の研究者を任命拒否したのか聞かれても、まともに答えませんでした▼上代文学会は、日本語は本来なら「豊かなコミュニケーションを担う」ものとして、抗議声明をこう締めくくっています。「頼むから日本語をこれ以上痛めつけないでいただきたい」

(東京民報2020年11月8日号より)

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