【クローズアップ都議選】東京外環道 小池都政、自公都ファ 住民の不安無視で推進 〈2021年3月28日号〉

共産党 安全脅かす工事中止を 
道路陥没、相次ぐ異常事態

 住宅密集地の真下40メートル以深の大深度地下に巨大トンネルで築造する東京外かく環状道路(東京外環道)の大深度地下工事(大泉ジャンクション~東名高速道)を巡って、工事沿線(調布市)で道路陥没や地下巨大空洞が相次ぐ問題は、地域住民だけでなく多くの人を震撼させています。施工者である国と一体に推進する小池百合子知事と自民、公明、都民ファーストの都議会各派の姿勢が厳しく問われます。

道路が陥没(奥)した調布市の現場に駆けつけ担当者の話を聞く原田都議(左から2人目)と宮本徹衆院議員(同3人目)=2020年10月18日

 「本線シールド工事の2年凍結の報道があったが違う」「報告書が出たことを一定の区切りとし、工事再開を検討する」

 道路陥没の原因について「東京外環トンネル施工等検討委員会有識者会議」がまとめた報告書を公表した記者会見(3月19日)で、施工者であるNEXCO東日本の関東支社建設事業部長は、こう言い放ちました。有識者会議の小泉淳委員長は「リスクはゼロにできない。(地上所有権者の了承の必要がない)大深度法の改正の必要はない」と発言。住んでいる家の地盤がいつ崩れるかと、不安で眠れない夜を過ごす住民らが、あ然とする内容でした。

 これを受けて「外環被害住民連絡会・調布」は22日、「最終報告は、中間報告と大差ない内容で地上の住民が負わされるリスクや暮らしへの配慮が決定的に欠落しており、到底容認できるものではない」との怒りの声明を発表。▽事前のボーリング調査の不足を認めない▽地盤改良への影響調査がない▽補償内容が不透明―などとして、事業者への不信感と工事再開への反対を訴えています。

「稼ぐ東京」路線で
発進式でシールドマシンを視察する小池知事(中央)=2019年1月26日、練馬区。提供・東京外環プロジェクト

 外環道は国と都が一体となって1メートル1億円とも言われる巨費を投じて進めてきました。小池都知事が推進してきた最大の理由は「都市間競争に勝つ、稼ぐ東京」の実現です。その路線が都民の命を脅かしています。

 東京外環道の練馬区側からの掘削工事のシールドマシン発進式が2019年1月26日に行われた時のこと。あいさつに立った小池知事は「東京外環道の開通により首都圏の物流が盛んになる」「私は国会議員の頃からこの工事を待ち望んでいた」とのべ、環境相を経験したことにも触れ「地下化は大気汚染上も好ましい」と嬉々として語りました。

 都は工事の環境影響評価(07年)でも「地盤沈下は生じない」としていました。シールドマシンを使った工法も地盤沈下への影響が、専門家から指摘されています。こうした問題を日本共産党都議団は都議会で追及。しかし都は、住民からの度重なる振動や騒音、地盤異常を訴える声にも、「安全や環境が損なわれる事態は発生していない」と目をつぶり、事故が起きると国や事業者が悪いと自らの責任にはほおかむりしています。歴代都政とともに推進してきた自民・公明、小池都政の最大与党である都民ファーストの会も、陥没事故後も推進の姿勢を変えていません。

 日本共産党の原田あきら都議は、「これまで酸欠空気の漏出をはじめとする数々の異常な事象や、管理基準値の問題などを指摘してきましたが止まらず突き進んできた。今回、事業者が施工ミスを認めたが、住宅密集地で地下ボーリング調査もずさんであり、構造的に事故は避けられない。事業費の増大の先も見えず、住民の命を危険にさらすことになるので、東京外環道の事業認可の延長は認めるべきでない」と怒りを込めて訴えています。

事業費が肥大化

 国・NEXCO東日本は今後、沿線で順次住民説明会を開催し「丁寧にご説明させていただく」と言いつつも、工事ありきの説得であることはこれまでの経過から見て明らかです。事業費は当初の1兆2800億円が、2兆3500億円に肥大化。国からの意見照会に都は1日で了承しました。補償費も合わせて事業費はどこまで膨張するのか不透明です。

 3月末で期限の到来がくる東京外環の事業認可の延長を、許認可権者である都知事が認めるなど、あってはならないことです。一方、自民、公明などの都議でつくる「外環道推進議連」は、事業区間を湾岸線までとする、さらなる延伸を求めています。

 夏の都議選は「住民の命を脅かす道路はいらない」との、反対住民の声が届く都議会にする絶好のチャンスです。

東京民報2021年3月28日号より

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