障害者の雇用差別やめて オリンパス 子会社の組合分会が宣伝〈2021年5月23日号〉
- 2021/5/23
- 労働・市民
夕暮れ時、帰宅を急ぐ人々が行き交う街に「オリンパスは障害者差別をやめよ」とのシュプレヒコールが響き渡り、子ども連れのママの足も止まりました。首都圏青年ユニオンと同オリンパスサポートメイト分会は4月27日、オリンパスサポートメイト株式会社(本社=八王子市)の東京事業グループ(渋谷区)前で抗議宣伝を行い、労働条件の改善を求める団体交渉(団交)に応じることなどを求めました。

「普通に暮らせる賃金に」
同社は世界的光学機器・医療機器企業であるオリンパス株式会社が100%出資する特例子会社(ことば)。障害者を雇用し、オリンパスの業務の一部を担っています。しかし、そこで働く正社員の障害者の給与は手取り14万円余りで昇給はほぼなく、賞与の手取りは1回につき8000円程度。一方で同社における健常者の正規雇用は定期昇給があり、賞与は年に2回で4カ月支給されるとしています(写真)。

宣伝に参加した労働組合員らは、それまでオリンパスの正社員らが担ってきた作業などに従事。従前以上の成果を出してきたといいますが、健常者正社員の約半分の賃金レベルにとどめられています。生活保護基準程度の賃金では生活が困難だとして「歯医者に行きたい」「普通の生活をしたい」と訴えます。生活保護の医療扶助を得られない組合員らは生活を切り詰めているのです。
また同分会は、これまでも労働組合を通して契約社員からの正社員化や差別的言動を行う「指導員」の排除などを求めて運動し、職場の改善などを実現してきました。
今回は月に2万円の昇給などを求めていますが、サポートメイトは団交に応じることなく「障害があっても普通に暮らしたい」との願いに背を向け続けています。
障害者は半人前なのか
「八王子本社でも3年以上前から働く障害者雇用枠の労働者はおらず、障害者雇用枠での雇用者は定着が悪い」と梅村研一分会長は話します。その理由は「生活保護よりましだろう」「雇ってやっている」という差別的な発言が上司の口をつくことがあることからも、伺い知れます。
分会員の女性は「きょうだいもなく、一人で生きていくのに、障害があるために生命保険も入れない。会社員として安定した生活を望むのはいけないことなのか。半人前の扱いなのか。大学まで出してくれた親に申し訳ない」と生活の不安を訴えます。
別の分会員は「貯金ができない」とうつむきます。「隙間風が入る木造アパートに暮らして、将来のために放送大学などでスキルを身に着ける努力をしている」と語る女性分会員もいます。健常者より医療費が多くかかることもあり、東京都の助成制度は埼玉県などと比較すると手薄いことも影響を与えています。
障害者雇用促進法の第1条には障害者とそうでない者との均等な機会と待遇の確保、障害者が能力を有効に発揮するための措置、職業生活においての自立を促進することが目的とされています。
障害者のわが子を育ててきた田中京子さん(仮名・77歳)は「こんな風に産んで申し訳ないと、いつも子どもの背中に謝っています。障害者でも愛おしい子です。他人に一人前扱いされないといたたまれない」と語ります。
「障害があっても普通に暮らしたい、自立して働きたいとの思いを搾取する行為を改めなくては、誰でも輝ける東京への道のりは遠い」との当事者の声には、重みと正当性があります。
東京民報2021年5月23日号より












