「陥没は未然に防げた」 外環ネットが学習会〈2021年5月30日号〉

 東京外かく環状道路(東京外環)の大深度地下工事沿線(練馬区、杉並区、武蔵野市、三鷹市、調布市、世田谷区)に住む住民でつくる外環ネットは23日、学習会を開催しました。武蔵野市の会場とともに、オンラインでの参加もありました。

 地盤解析の専門家である徳竹真人氏が「“特殊な地盤”のウソ!外環報告書の疑問点」と題して昨年10月以来、調布市内で続いた地表陥没や巨大地下空洞発見について講演しました。

 徳竹氏は▽陥没事故発生域の地形・地質概要▽施工前の疑問▽陥没事故の原因と思われる「流砂」について▽シールド施工の地盤沈下▽「特殊な地盤」▽事故原因と陥没事故発生機構…事故の背景も含めて▽今回の事故を振り返ってーのそれぞれについて専門家の立場から丁寧に語りました。

 東京外環の施工にあたり行われたボーリング調査について、「必ずしも計画路線直上で実施していない。陥没地近隣には平坦で調査に問題がない箇所が2カ所あるのに実施されていない」とした上で、「計画路線東側に調査地点がない。そこには軟質な土砂が堆積している」と指摘しました。

 さらに地上に影響が出る可能性の範囲について言及。「数値解析した結果図は信じてしまう。しかし、直径16メートルのシールドトンネルは東京外環が初めて。わからないことが多くある。総合的に判断したというのは嘘ではないか」と施工者の言い分を疑問視しました。

 また、東京外環トンネル施工等検討委員会有識者会議(有識者会議)が陥没事象の原因を「特殊な地盤」としたことについて、▽東久留米層は同程度の砂層からなると多くの文献に古くから記述されている▽地下水位は5メートル程度の深さにあると柱状図に記録されているーことから、「振動を加えれば砂は崩れやすい。砂層で地下水位が浅いと地震時に液状化しやすいし、液状化したら物を支えられない。掘削で常時振動を与え続けたら地震と同じだ」と指摘。

 その上で「有識者会議が必要な情報を提供しない」「(事故は)科学的に予知できず、責任がないとしようとしているのではないか」と批判しました。

 最後に「複数の住民からの騒音・振動の苦情を“想定外の騒音・振動”と捉えて対応していれば、今回の事故は未然に防げたのではないか」と力を込めて訴えました。

東京民報2021年5月30日号より

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