リニア工事すぐに中止を 外環道と同じ大深度地下 住民ら差し止め求め提訴〈2021年8月1日号〉
- 2021/8/1
- ジェンダー問題
住宅地の真下に巨大トンネルを掘削するリニア中央新幹線の工事差し止めを求め、大田区と世田谷区のリニアトンネル沿線住民らを中心とする原告団が7月19日、事業者のJR東海を相手取り東京地裁に訴訟を提起。同日に記者会見を開きました。

品川~名古屋間の開通を目指すリニアは、全長286キロのうち約246キロがトンネルで、品川区~町田市の約33キロと、愛知県春日井市~名古屋市の約17キロが、地下40メートル以深の大深度地下工事。昨年10月以降、調布市で相次ぐ道路陥没事故や地下空洞発生の原因とされている、東京外かく環状道路(東京外環道)の大深度地下トンネル工事同様、都市部の大深度地下をシールドマシン(掘削機)で掘り進める準備が進んでいます。
住民らは、18年の夏からリニア工事の危険性を訴え続けていました。国土交通省に法律や手続き面での不当性、陥没・地盤沈下・振動・騒音・電磁波など沿線住民に与える恐れのある影響を伝えるため、大深度地下使用の認可取り消しを求めて700通以上の審査請求書を提出しています。
20年夏ごろにようやく届いた赤羽一嘉国交相名の弁明書に記載されていたのは、「単なる抽象的危惧感をいうにすぎないもの」という文言。「国交省の姿勢が如実に表れている」と住民らが憤っていたところ、調布市で大規模な陥没事故が発生しました。
JR東海の姿勢に怒り
4人の子どもがいる原告団の女性(49)は、子どもたちが遊んでいる多摩川や丸子川の汚染を懸念。男性(75)は、「東玉川(世田谷区)では1カ所もボーリング調査が行われていない。東京外環道の事故もボーリング調査がずさんだった」と指摘しました。
原告団に参加した弁護士の男性(81)は、「イタイイタイ病や水俣病など、公害や薬害事件に関する被害者の代理人を務めてきた経験から、直観的に問題のある工事だと思った。そもそも人口減少の中で需要が大きく減っている。必要性のない無駄な事業」と発言しました。
本訴訟の代理人を務める梶山正三弁護士は、リニア工事が環境破壊を招き、地域住民に苦しみを与えていると強調。「トンネルを掘れば空洞ができ、地盤の陥没が起きるのは当たり前のこと。大深度地下は、たかが地上から40メートル以深。地上に影響が出ないわけがない」と述べ、住民の生命、身体、財産権の侵害を懸念しました。
原告団長の三木一彦氏は「取り返しのつかないことが起こる前に、なんとしても食い止めたい」と主張。「東京外環道のような事故が起きれば、私の家も無事ではないにも関わらず、JR東海から一度たりとも連絡がない。異常なまでの隠ぺい体質とごう慢さを感じる」と怒りをあらわにしました。
東京民報2021年8月1日号より












