「住民追い出す道路やめて」 品川区 29号線裁判が弁論終結〈12月26日号より〉

 東京都が交通の円滑化と防災を口実に進める特定整備路線・補助29号線の事業認可取り消しを求める行政訴訟が15日、東京地裁で提訴から4年半を経て結審しました。来年5月18日に、判決が言い渡される予定です。

 補助29号線の事業計画は、品川区大崎3丁目から大田区東馬込2丁目まで、特定整備路線全28路線の中で、最長となる3・5㌔の区間に、幅員20㍍の道路建設を予定。総額600億円超の巨額予算が計上され、550棟が立ち退きを迫られています。

報告会で発言する原告団長の池戸氏(左)と多田氏=15日、千代田区

 閉廷後の報告会で、池戸アキコ原告団長が最終準備書面について報告。道路の貫通により戸越1丁目の「わかば公園」と、豊町6丁目の「ゆたか防災広場」に影響が及ぶことを、最後まで書面で訴えました。「補助29号線が地域の環境を壊す象徴的な場所がこの2カ所。都は公園を増やすと言うが、道路工事で公園や広場が壊されることの矛盾を、品川区は解決できていない」と指摘しました。

 弁護団の串山泰生弁護士は、元建設局木密路線整備推進課長と都市防災・都市計画専門家の中村八郎氏による証人尋問が実現したことの意義を強調。「中村氏の証言により、都が延焼遮断帯の必要性を示すうえで提出した延焼シミュレーションは、不十分で科学的な合理性がないものと主張できた。裁判長はこれをどう判断するか、判決の分かれ目になる」と語りました。

 報告会の進行役を務めた原告のひとりで「道路問題しながわ連絡会」事務局の多田康弘氏は、「特定整備路線により、都内で何万人もが住み慣れた土地から追い出される。人々の犠牲と道路をつくる目的はつり合っているのか」と訴えました。

(東京民報2021年12月26日号より)

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