【書評】資本主義のほころび懸念も 新聞各紙の元旦社説〈1月23日号より〉

 新聞各紙の元旦号社説を読み比べました。各紙なりのカラーが読み取れます。そのダイジェスト・寸評を紹介します。

○しんぶん赤旗―「コロナ過は日本と世界の矛盾を浮き彫りにし、岸田政権は課題への対処能力を欠いている」と指摘。「軍縮で得た費用をコロナパンデミック・気候変動対策、世界の貧困対策に配分せよ」というノーベル賞受賞者らの呼びかけに背を向ける岸田政権に、草の根運動で政権交代を呼び掛けています。

○日本経済新聞―「資本主義を鍛えなおす年にしよう」。コロナ禍でのひずみ、制度疲労が目立つ資本主義のほころびを繕う改革が重要とします。主張はもっともだが岸田政権の「新しい資本主義」への批判はありません。

○朝日新聞―巨大IT企業を国家に匹敵する「新たな統治者」と警鐘。個人情報を蓄積し、個人の人生に影響を与える巨大企業の支配を批判したのは慧眼です。しかし、政府のIT化が巨大な企業利益と税金の無駄を生んでいることの批判が弱い。

○毎日新聞―「民主主義への逆風が強ま」っていると内外の権威主義の強まりに危機感を表明。権威主義は民主主義国の内部にも、と指摘し、政府の沖縄辺野古の基地建設強行を批判します。参院選では市民と政治をつなぐ民主主義の力が試されると期待を表明。真っ当な主張です。

○読売新聞―「『平和の方法』と行動が問われる」台湾等の有事は中国の重大な損失となることを認識させねばならないと「脅し」を主張。東アジアの緊張を高める主張です。国内的には、「新しい資本主義」の正念場がこの夏の参院選だとして政権を応援しています。

○産経新聞―「さらば『おめでたい憲法』よ」。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」「国民の安全を図ろう」という日本国憲法の前文を「おめでたい」と決めつけ「もういらない」と吐き捨てる。「壊憲」意図むき出しの社説です。

○東京新聞―「『ほどほど』という叡智」と題し温室効果ガスも地球の平均気温のためには「多すぎても、少なすぎても」だめで「ほどほど」がいい、と。現在の深刻な地球環境の問題を真剣に考えた結果とは思えない、危機感を欠いた社説です。(松原定雄・フリーライター)

(東京民報2022年1月23日号より)

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