コラム砂時計 あなたも自民党の名簿に?〈2022年2月13日号より〉

 

 「(郵便局は)誰もが、どこでも、公平に利用できる国民共有の生活インフラ」─ホームページでこううたっている全国郵便局長会(旧・特定郵便局の局長で構成。略称=全特、末武晃会長)が、ゆうちょ銀行や、かんぽ生命の利用者名簿を自民党の選挙活動に流用したことが問題になっている。

 新聞、テレビも「同会が推す参院選の候補者を支援する政治活動に利用していた」などと政党名を伏せて報道したが、「全特」といえば、「自民党最大の集票マシン」として政界では有名である。郵便局は全国に約2万4千か所、その4分の3以上が小規模な旧特定郵便局で、任意団体である全国郵便局長会がそれを束ねている。

 「郵政民営化」により、日本郵政株式会社(増田寛也社長)となったが、郵便・物流、貯金、保険など国民生活と密着した欠かせない存在であることに変わりはない。「自民党をぶっ壊す」と過激な発言で「改革」を唱えた小泉純一郎首相(当時)も、この「集票マシン」に手を加えず、温存された。

 直近2回の参院選では、元特定局長と元郵政官僚が同会の推薦を受けて比例区で立ち、いずれも自民党内比例1位で当選している。

 個人情報流用事件を受けて行われた内部調査によると、自民党の政治活動に流用された郵便局のカレンダーは3年間で507万本。この数字から推測するに、郵便局を利用している「あなた」も自民党の支持者名簿に流用された可能性がある。

 ところが、この調査では、不正に使われた顧客情報はたった1318人、注意処分された局長はわずか110人となっている。それにもかかわらず、監督官庁である総務省は、具体的な検討をするつもりはないらしい。

(阿部芳郎・ジャーナリスト)

(東京民報2022年2月13日号より)

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