訴えの握りつぶし明らかに 東京国税局 パワハラ分限免職で審理〈2023年2月26日号〉

 東京国税局に勤務していた原口朋弥さんは2021年6月、人事評価が最低のDが続いたことをもって分限処分(*ことば)で国家公務員の職を解かれました。「具体的な問題点の指摘や指導もなく、密室で怒鳴られ続けるなどのパワハラを受けた。パワハラによるうつ病発症時も、ADHD(注意欠陥多動障害)の診断以降も配慮がなされなかった」として原口さんは、人事院に処分の取り消しを求めて審査請求をしており、13、14の両日、同院で公開口頭審理が行われました。

国税庁前で分限処分の不当さと労組への相談を訴える原口さん(左から2人目)=8日、千代田区

 これまで原口さんの代理人弁護士らが人事院を通じて、東京国税局に評価を問い合わせた際には黒塗りの資料が出されており、「どの点が職務遂行上において問題なのか」が具体的に明らかにされていません。今回の審理では東京国税局から証人が5人、申立人の原口さん側から2人が尋問を受けました。

 初日の尋問では主に東京国税局の証人が人事院の公平委員会の人事調整官立会いの下、国税局側、申立側からの質問に宣誓後に答えました。

 原口さんに分限免職の辞令を交付し、締め出すように麴町税務署を追い立てた当時の副署長はオンラインで参加。国税局側の尋問に対して「原口さんと話す時はADHDと感じない」とし、▽母がうつ病のために本を読んでいて知識があった▽同署でのパワハラの訴えの時は迅速に事情聴取を行った―などの他、原口さんの聞き間違えや記入ミスなどを事細かに列挙しました。

 原口さんの代理人は「麴町署では原口さんが他部門への配置転換を希望していたのに、面談シートへの記入とそれに関わる議論がなかった」ことを指摘。さらに元副署長が統括官による「バカ」という発言について「統括官に確認して『よくないけれど指導の一環』と言うので『原口さんがやめて欲しいと言っている』と伝えて終わった」と軽視するような発言をしたのに対し、代理人は「人権否定ではないか」と述べました。

 元副署長は「一つだけとらえてパワハラではなく、いろいろ総合的にとらえてパワハラと認定する」と回答。厚生労働省のパワーハラスメントの定義(2018年10月)には「バカ、ふざけるな、役立たず」という発言がパワハラに値するとされているにも関わらず、異なる認識が露呈し、各署に配置されているというパワハラ相談員は機能していないことがはっきりしました。さらに原口さんが最初の配属先の練馬東税務署配属時にパワハラを受けていた記録に目を通していないことや、無遅刻無欠勤であったことも明らかになりました。

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