〈一分 6月11日号〉公邸に幽霊の噂が絶えない背景には、建物がかつての首相官邸で、5・15事件や2・26事件の現場となるなど、政治の中枢を担う場だったことがあります…

 「首相公邸に幽霊が出るとの噂は事実か。首相が公邸に引っ越さないのは、そのためか」―2013年に野党議員が出した質問主意書です。当時の安倍内閣が閣議決定した答弁は「承知していない」でした▼その公邸で、親族とされる人たちと「忘年会」を開き、「公的スペース」で写真撮影するなどしていたとして、岸田首相の長男、翔太郎氏が首相秘書官を更迭されました▼赤いじゅうたんが敷かれた階段で、翔太郎氏らが集合写真を撮ったり、参加者の一人が寝転んでいる姿などが報じられました。岸田政権の〝決め台詞〟になぞらえ、「異次元の公私混同」との批判もあがっています▼公邸に幽霊の噂が絶えない背景には、建物がかつての首相官邸で、5・15事件や2・26事件の現場となるなど、政治の中枢を担う場だったことがあります。居住用に改装されたとはいえ、迎賓や緊急時の執務など、政府の重要な機能を担う公的施設です▼公邸での「忘年会」では、首相自身も写真撮影に参加していたことも報じられました。政府は、「私的なスペース」だったと説明していますが、そもそも会の開催が適切なのか、公的なスペースでの長男の行動を知らなかったのかなど、多くの疑問も。首相自身の「公私混同」が問われています。

東京民報2023年6月11日号より

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