「東京一安い土地」に建てられたマンション・選手村地区の変貌を見てみよう-。臨海部開発問題を考える都民連絡会と中央区労協は9月30日、中央区晴海5丁目の東京五輪選手村跡マンション(晴海フラッグ)の見学会を行い、26人が参加しました。
参加者は中央清掃工場に隣接する「ほっとプラザはるみ」前に集合。矢野政昭・臨海都民連世話人と椎葉紀男・中央区労協議長代行の説明を聞きながら、林立する中高層マンション、地上50階建てタワーマンション2棟の建築現場、晴海ふ頭公園、「東京港の玄関口」と親しまれた晴海客船ターミナルの解体現場を見学しました。
矢野さんは東京都港湾局に在職中、革新都政が推進した海上公園整備の仕事に携わってきた経験を語り、記録写真を示しながら選手村地区の開発と緑の破壊状況を説明。小池百合子知事が五輪選手村整備の名目で、晴海5丁目の都有地を近隣地価の10分の1以下で大手不動産会社に投げ売りしたことを批判、原告団に加わり小池氏らに1200億円余の損害賠償を求めて住民訴訟を起こしていると報告しました。
椎葉さんは、中央区労協が都知事と区長に選手村マンションを低家賃の公的住宅として活用するよう要望したことを説明。中央清掃工場の高さ180メートルの煙突を取り囲むように選手村マンションを建築したことをあげ、「3億円もするタワーマンション最上階に入居した人は、目の前にある清掃工場煙突を見たら驚くのではないか」と説明。参加者から驚きの声があがりました。
マンション群に隣接する晴海ふ頭公園で、矢野さんは「革新都政が整備をすすめた海上公園の第一号です。せっかく緑豊かな森に育ったのに、都は五輪大会開催の名目でばっさり伐採し、噴水池もつぶし芝生広場に変えてしまった」と、怒りをこめて説明します。
参加した山本タケさんは「私が東京港埠頭公社に勤めていた時には、オオシマザクラなどたくさんの木が植えられ、子どもたちがヨモギを取りに来て親しまれていたのに…。寂しいですね」と話します。
日本共産党の奥村暁子、小栗智恵子、れいわ新選組の川畑善智の各中央区議があいさつしました。(ジャーナリスト・岡部裕三)
東京民報2023年10月8日号より