「将来の夢や進路を難しくしているのは進学費用など経済的な理由」と考えている保護者が5割に上っていることが、東京都が今月まとめた「とうきょう こどもアンケート」で分かりました。子どもも4人に1人が、そう考えており、経済的理由が将来の夢に立ちはだかっている深刻な現状が浮き彫りになりました。
調査は、子どもたちに関する実態や意識を定期的に把握・分析し、今後の「子供政策」を検討するために行うもの。都内に居住する小学3年生、小学5年生、中学2年生、17歳の子どもとその保護者各1500人、3歳児の保護者1500人、計7500世帯、1万3500人を対象に、5月18日~6月6日に実施しました。
質問は子ども45問、保護者55問。子どもの「将来の夢や進路に関して難しくしている問題」について、保護者で最も多かったのは「進学費用が足りないなどの経済的な問題」が50.7%で最も高く、次いで「希望する将来像や進路に進む方法が分からない」が30.9%、「学力不足」が29.5%でした。
学年別に見ると「経済的な問題」と答えたのは、3歳が64.2%と最も高く、小3で48.4%、小5が48%、中2が43.1%、17歳で44.4%と、全ての学年で4割を超えています。
一方、子どもでは最多が「自分の学力不足」で37.2%、進学費用など家計の「経済的な問題」をあげたのは24.2%で、学年別では17歳が28.3%で最多でした。
また、4割の子どもが自分は「とても幸せ」と感じていることが分かりました。「自分は幸せか」の質問に、「0」(まったくあてはまらない)~「10」(とてもあてはまる)の11段階で回答。「10」と回答した割合は、最も多く占めました。いずれの学年でも「10」が最も高く、小3では49.8%、小5では44.3%、中2では34.6%、17歳では19.0%でした。年齢が上がるにつれて割合が低下し、17歳は小3より30.8ポイントも低い結果でした。
一方、保護者では「10」と回答した割合は、23.3%に留まりました。
東京民報2023年11月19日号より