民団体が行った東京都知事候補者アンケートで、小池都政が検討してきたカジノを中核とする統合型リゾート(IR)について、蓮舫氏は「百害あって一利なしのカジノ誘致には反対」ときっぱり言明、小池百合子候補は「引き続き検討」と推進方針を明らかにし、違いが鮮明になりました。
アンケートは「晴海選手村土地投げ売りを正す会」(中野幸則代表)が実施したもの。
カジノ誘致について、小池氏は回答書で「都はメリット、デメリットの両面から総合的に検討しているところであり、引き続き検討を行ってまいります」と従来通りの推進姿勢を明言。
小池氏は国会議員だった時期に、刑法で禁止されていたカジノの解禁を主張してきたカジノ議連のメンバー。石原慎太郎知事(当時)が「お台場カジノ」構想を打ち上げ、小池都政もカジノ誘致検討を続けてきました。
都港湾局が舛添要一知事、小池知事のもとでひそかに実施した2件の委託調査報告書(記者が情報開示請求で入手)は▽臨海副都心青海がIR最適地(三菱総研、2015年)▽「国内最高級のホテルの3階に世界最大級のIRを併設」(みずほ総研、18年)―と提案しています。
小池都政はカジノ調査費をほぼ毎年計上してきましたが、20年度以降はコロナ禍などのため予算執行していません。
カジノ誘致をめぐっては、大手デベロッパーの森ビルと、フジテレビ・三井不動産・鹿島建設の2グループが石原都政、小池都政にそれぞれ臨海副都心・カジノリゾート提案書を提出しています。
森ビルに都局長級6人、三井不動産に局長ら都幹部12人が天下りしていたことも記者の取材で判明、開発行政をめぐる癒着を深めています。
(岡部裕三・ジャーナリスト)
東京民報2024年7月7日号より