〈一分 2024年8月11・18日合併号〉ジョン・F・ケネディ米国大統領の父親、ジョセフ・P・ケネディ氏には、投資をめぐる伝説的なエピソードがあります
ジョン・F・ケネディ米国大統領の父親、ジョセフ・P・ケネディ氏には、投資をめぐる伝説的なエピソードがあります▼ウォール街で株式投資家として働いていたジョセフ氏はある日、偶然出会った靴磨きの少年に「株を買った方が良い」と勧められます。普段、株になど興味がないであろう少年まで、周りに儲かると勧めている。ジョセフ氏は、この相場が長続きするわけがないと、持っていた株を売却。直後に、1929年10月の世界恐慌が起き、難を逃れました▼日経平均株価が5日、10%を超す暴落を記録しました。1987年の世界同時株安、ブラックマンデーの際を上回る、4451円の下げ幅です▼年初から続いた円安と株高の流れが、日銀の金利引き上げとアメリカの景気後退懸念で一気に逆回転した形です。さらに、この間、給与が上がらず生活に不安を覚える人たちに、空前の投資ブームが起きていました。暴落に動揺した個人投資家が株の売りに走り、下げ幅を拡大させたと指摘されています▼2012年以来のアベノミクスは、異次元の金融緩和を通じて、実体経済と遊離した株高バブルを演出してきました。賃上げと、安心の暮らしの保障で、強い実体経済を作る、真っ当な経済政策への切り替えの時です。
東京民報2024年8月11・18日合併号より