神宮外苑見直し案「再開発ありき」 共産党 JSCから聞き取り〈2024年9月29日号〉

 多数の樹木を伐採し、高層ビル建設やラグビー場と野球場の敷地を交換して建て替える神宮外苑(港区、新宿区)の再開発を巡り、樹木保全の「見直し」案を事業者の三井不動産などが公表(9日)したのを受け、日本共産党の吉良よし子参院議員、坂井和歌子衆院東京比例予定候補らは17日、秩父宮ラグビー場を所有する独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)と所管するスポーツ庁の担当者から聞き取りを行いました。都議団から尾崎あや子、原田あきら、原純子の各都議が参加。再開発の見直し・中止を求める住民らも参加しました。

聞き取りをおこなう参加者。前列左3人目から、原純子都議、吉良よし子参院議員、坂井和歌子吉良・山添事務所長、原田あきら都議、尾崎あや子都議

 「事業推進ありきで、なし崩し的に進めようとする意図を強く感じる」。参加した市民から、憤りの声が上がりました。樹木保全に関わって、野球場やラグビー場の設計を変更するのに、具体的な計画変更の内容について説明を求めても、いろいろな理由をつけて明らかにしなかったからです。

 JSCの担当者は、ラグビー場の施設計画の詳細は「PFI事業者が検討を進めているので明らかにできない」、事業者間でビルの床面積などを調整する権利変換計画については「これから作る段階」として公表を拒みました。さらに、参加者の追及に今回事業者が示した樹木の保全策は「(今後)変わり得る」と認めたのです。

 吉良議員は「樹木保全の基本となる基本計画が、変わる可能性があるのでは、どこまで信ぴょう性があるのか担保できない。権利変換に関わるデータも公表できないというのは、国民に対してあまりに不誠実だ」と批判しました。

 住民らは「高層ビルと大規模施設のために環境が犠牲になる本質は変わらない」「ラグビー場は現在地で改修すれば、建国記念文庫の森などの伐採は不要」と指摘しました。

 JSC側は今後の手続きについて「見直しした変更届を都の環境影響評価審議会に報告する」と回答。原田都議は、審議会に提出される事業計画の見直しが、ラグビー場の立て替え部分に限定されることに、「計画の一体性が損なわれるのではないか」と指摘。JSC側は「段階的な見直しはこれまでもやってきた」と答えました。

開かれた説明会に

 事業者は、要請のあった新宿、港両区の限られた住民を対象に、28日に説明会を開く予定です。

 吉良議員は、計画撤回を求める国際NGO(非政府組織)国際記念物遺跡会議(イコモス)や環境アセスメントの世界的な学会「国際影響評価学会(IAIA)」日本支部が、住民とのコミュニケーションが足りないと厳しく指摘していることを挙げ、「専門家を含めて広く参加できる説明の場を設けるべきだ」と強く求めました。

秩父宮ラグビー場「築76年」指摘受け訂正へ

外苑再開発プロジェクトサイト

 秩父宮ラグビー場の建て替えを巡って、再開発の「まちづくりプロジェクト」のサイトで、「築76年」「進む老朽化」などと強調していることに対し、参加した住民から「スタンドは築40年前後だ。誤っているのではないか」と指摘し、訂正を求めました。

 同ラグビー場は戦後まもない1947年にグラウンドとして開設。その後、西スタンド・メインスタンドが76年、80年に南スタンド、北スタンドは86年など順次整備され、耐震診断を実施した上での耐震補強方針も示されています。

 住民はこうした事実を示し、「あたかも古いと、いい加減なことを言っている。真摯(しんし)に向き合ってほしい」と訴えました。

 JSC側は「開設から76年」と弁明し、「修正を検討する」と答えました。

東京民報2024年9月29日号より

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