社会保障拡充が経済成長に 大田区 大門氏招き懇談会〈2024年10月13日号〉
- 2024/10/14
- 労働・市民
多くの工場が集まり、「ものづくりのまち」として知られる大田区の経済を立て直し、日本経済を元気にすることを目的に、日本共産党大田地区委員会と大田区議団が4日、「くらしに希望を! 経済再生プラン懇談会@大田」を大田区産業プラザPiOで開きました。同党の谷川智行衆院東京比例・同4区予定候補(医師)がコーディネーターを務め、大門みきし前参院議員・同党政策副委員長が経済について分かりやすく話しました。


懇談会の開催に当たり、夏から谷川氏を先頭に、同党支部が区内の事業所や中小企業、町工場、商店、労働組合などを訪問し、現場の声に耳を傾けて準備。当日は約200人が参加しました。
山本純平大田地区委員長が、「新自由主義の経済をもとから変え、希望ある新しい政治を実現したい。懇談会を大田区の地域経済が再生、発展する大きなきっかけに」と主催者あいさつ。谷川氏は、「どの現場に行っても、深刻な実態が語られた」と報告しました。
大門氏は、同党が掲げる「経済再生プラン」を中心にトーク。長期にわたり停滞する日本の経済成長率を示し、「この30年で失われたのは、皆さんが得るべきはずであった富」と指摘。中小企業が最低賃金を上げても利益がマイナスにならない支援措置として、大企業の内部留保に課税(5年間2%)し、10兆円の財源を創出する仕組みを提案。最賃引き上げの重要性を説きました。
昨年の同時期と比べ、企業の「物価高倒産」が約1.5倍も急増しており、「国は当事者の努力に任せている。政治の力で転嫁できる仕組みをつくらなければ、間に合わない状況」だと強調。同党が提案する「非正規ワーカーの待遇改善法」、新たに発表した、賃上げと一体に労働時間の短縮を目指す「自由時間拡大推進法」にも触れました。
改悪を重ねる社会保障の問題にも言及。スウェーデンでの調査で学んだ「社会保障は経済である」という考え方を説明し、「セーフティーネットが整った国ほど、経済は伸びている。社会保障の拡充こそ、経済の成長につながることは明白」だと述べました。
若者にとっても希望
会場からの発言で、東京土建一般労働組合・大田支部の井澤典一執行委員長は、建築業界における重層下請構造の課題を説明。「公契約条例のような法で政治の力を借り、職人の手間賃を上げなければやっていけない」と語りました。
区内の保育園園長は、「保育士の処遇改善や最適基準を上げなければ、よい保育はできない」と訴え。大田区労働組合協議会の小林清事務局次長は、「現場はどこも過密労働で、パワハラも広がっている。正規雇用は非正規に置き換えられ、心に余裕はなく、疲れ切っている」と、深刻な状況を危惧しました。
町工場の経営者は、アルバイトもしながら「40年間、借金返済のためだけに頑張ってきた」と苦しい胸の内を語り、「町工場は苦境の連続」で、「このままではなくなってしまう」と悲嘆。看護師の金子菊代氏は、実態を無視した病床削減、病院の再編、診療報酬改定により、「病院やクリニックの倒産件数が増えている。患者の実態を見ても、憲法25条の形骸化を感じる」と力を込めました。
谷川氏は、同党が先月発表した「年金削減、介護の危機、医療改悪をくいとめ、高齢者の人権と尊厳を守るための緊急提言」を解説。高齢者が年金だけでは生活できず、働かざるを得ない実態、低賃金・過重労働が原因で介護職員の離職が広がり、必要な介護が受けられない現状、高齢者の医療負担が増え、受診抑制が起きている事実など、医師としての経験を踏まえながら語り、具体的な対策を述べました。
自公政権が世代間の分断をあおり、高齢者を追い詰めていると批判。「年金を増やし、医療費の負担を減らし、充実した介護を利用できることは、若者にとっての希望でもある。豊かな日本を目指し、皆さんと頑張っていきたい」と、間近に迫った総選挙に向けて意気込みました。
東京民報2024年10月13日号より











