医療に分断持ち込む愚策 マイナ保険証強制に反対〈2024年11月17日号〉

 政府が12月2日から健康保険証の新規発行・再発行を終了し、マイナンバーカードに保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の利用を事実上、強制させようとしている方針をめぐり、「マイナンバー制度反対連絡会」などは7日午前、参院議員会館(千代田区)で厚生労働省とデジタル庁に対し、保険証の存続を求める要請行動を起こし、午後から日比谷野外音楽堂(同区)で大集会を開きました。

健康保険証廃止の撤回を求める要請書を手渡す参加者=2024年11月7日、千代田区

 要請行動には、13団体、107人が参加。自治体・建設労働者などの労働組合、商工業者団体等で組織する同連絡会や、全国保険医団体連合会(保団連)といった医療・福祉関係者でつくる「医療団体連絡会議」などは、マイナ保険証の利用率が13.87%(9月時点)にとどまっている現状は、国民が保険証の廃止やマイナ保険証の一本化に大きな不安を抱いていることの表れだと主張。健康保険証廃止方針の撤回・健康保険証の交付存続と、事前に質問した4項目(表)への回答を求める要望書を、厚労省とデジタル庁の担当者に手渡しました。

 参加者から「マイナ保険証のデメリットを把握しているのか」「情報漏えいの対策は」「急ぎすぎて事故が起きている」など、憤りの声や厳しい質問が相次ぎました。

 医療関係者は、「スタッフに余計な負担がかかっている」「マイナ保険証を読み取るカードリーダーを設置できない医療機関もある。保険医療機関指定の取り消し処分になるのか。患者や開業医を見捨てるのか」と発言。障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会(障全協)は、「知的障害の方やその家族、支援者は今、混乱し、悩んでいる。人手不足の介護現場に、新たな責任を押し付けることに納得できない」と深刻な実態を訴えました。

 参加者がデジタル庁職員のマイナ保険証利用率を問う場面で、担当者は「デジタル庁単独では出せない」と断り、9月の内閣府本部支部の利用率は16.06%と返答。会場には「全然使っていない」と、あきれた声が響きました。

 厚労省とデジタル庁からは終始、まとまりを欠いた答えが続き、「マイナ保険証のメリットや安全性の周知を図る」「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の効果を早期に発揮するため、従来通りマイナ保険証の新規発行停止を進める」といった回答を繰り返しました。

 日本共産党の山添拓、倉林明子、伊藤岳の各参院議員が出席しました。

日比谷で大集会

 その後、日比谷野外音楽堂で行われた「マイナ保険証の押しつけ反対!保険証を残せ!11・7大集会」には、2300人(主催者発表)が参加しました。

 コメディアンの清水宏氏は、「余計なことするんじゃねえよ」と一喝。政府が主張する保険証の不正利用「なりすまし」について、「保険証では銀行口座が作れず、消費者金融で借入もできない、まんが喫茶さえ利用できない(こともある)」など、会場の笑いを誘いながら訴えました。

 参加団体からの発言で、東京土建の中村隆幸中央執行委員長は、石破茂首相が就任前まで現行保険証とマイナ保険証の併用は「選択肢として当然だ」と述べていたにも関わらず、政権始動後に発言を反故にした態度を批判。「保険証の存続が世論の大勢を占める事実を、政府は真摯に受け止めるべき」だと力を込めました。

 東京地方労働組合評議会の山田博樹副議長は、「堅牢けんろうなデジタルシステムを構築すると言うが、(個人)情報はダダ漏れ」と指摘。保団連の山田美香理事は、マイナ保険証を強制しようとする政府の姿勢に対し、「姑息な手段を断じて許すわけにはいかない」と憤りました。

 共通番号・カードの廃止をめざす市民連絡会(共通番号いらないネット)の原田富弘氏は、「任意であるマイナンバーカードを押し付けるのは、番号法違反」と主張。障全協の家平悟事務局長は、有効期限があり、更新手続きが必要なマイナ保険証は、「管理が難しい障害者や高齢者などが置き去りにされる」と強調。「命と健康を守る医療に、分断を持ち込む政策は愚策そのもの」と、怒りをあらわにしました。

 全国労働組合総連合の石川敏明副議長が、基調報告と行動提起。「未来を選ぶ権利は私たちにある。力を合わせて保険証を残そう」と、呼びかけました。

 集会後、参加者は銀座(中央区)まで約2キロの道のりをデモ行進しました。

東京民報2024年11月17日号より

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