【コラム健康生活】高齢者の運転に支障きたす薬は多い 診察時の事故報告、薬の見直しも〈2025年3月30日号より〉

  高齢なんだからさあ、何をやるにも危ない、と。車の運転は特にそう。高齢者の事故が多いからねえ。

 体のあちこちに不具合が見つかり、処方される薬の種類も量も増えていく。

 その薬のなかには運転に支障をきたす副作用もあるという。めまい、ふらつき、しびれ、目のかすみなど。

 米国運輸省/米国道路交通安全局の調査です。(Rosap 2008.5.1)

 “高齢運転者の自動車事故に関連する薬剤は90種類以上ある”

 薬の使用が高齢者の運転能力にどう影響するか。

 路上試験で検討しています。(JAMA Network Open 2023.9.29)

 参加者は、週1回以上運転し、認知機能も運転能力も問題ない65歳以上(平均73歳)の198人です。

 年1回の路上試験と受診時に検査し、6年間追跡。

 結果、不合格者70人。“不合格と強い関連があったのは抗うつ薬、鎮静薬・睡眠薬、非ステロイド性抗炎症薬、解熱・鎮痛薬アセトアミノフェンだった”

 “これらは一般的に処方される薬で、高齢運転者が事故を起こす危険を長期に高めている可能性がある”

 実際に米国で発生した人身事故154,096件、事故に関わった高齢運転者121,846人(事故時平均75歳)の分析です。(JAMA Network Open 2024.10.9)

 事故の危険を高める十分な証拠のある薬―抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)、睡眠薬(非ベンゾジアゼピン系)、鎮痛薬(オピオイド)に焦点を当てて。

 結果、“事故前、高齢運転者80%が1種類以上の薬を使用。事故後も81%が続けて使用していた”。

 事故前後の使用にほぼ変化なし。高齢運転者は薬の危なさに気付いてない。

 今後は、と報告者。“診察時の自動車事故報告の徹底、治療薬の見直し、薬の減量や中止、切り替えが必要になる”  (上野敏行)

東京民報2025年3月30日号より

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