2000年以降、日本の労働者が、企業の出し惜しみで失った賃金は180兆円▼明治安田総合研究所に所属するエコノミスト、古川裕也氏が2月に発表した調査レポートが話題を呼んでいます。古川氏は、春闘の賃上げ率などをもとに、企業の「デフレマインド」がどれだけ賃金を抑制してきたかを推計。その金額を180兆円としています▼レポートでは、この金額は同時期に企業がため込んだ内部留保の約半分にあたると指摘。これらが賃上げに回っていれば、家計消費が刺激され、日本のGDPは年平均成長率1・5%と、実績である0・6%の2・5倍に高まっていたとも分析しています▼2000年以降の期間は、日本経済がデフレ経済に苦しめられ、国際的な競争力を急速に失ってきた「失われた30年」にも重なります。「失われた経済」の原因を、「構造改革の遅れ」や「少子高齢化」などに求める論調も多い中、「賃金の出し惜しみ」にこそ、大きな原因があることを、同レポートは示唆しています▼時はまさに春闘です。大企業の一部などでは回答が好調とされる一方で、非正規や中小企業の厳しさも伝えられます。大企業の内部留保を、中小企業も含めた幅広い労働者の賃上げの原資に回す、政治の役割が重要です。
東京民報2025年3月30日号より








