9条の意義、再確認しよう 杉並区9条の家が創立記念集会 伊藤千尋氏が記念講演〈2025年5月25日号〉

 「平和主義者の拠点」にと昨年10月、日本に初めて誕生した「9条の家」(杉並区)の創立記念講演会が15日、杉並区内で開かれました。ジャーナリストの伊藤千尋さんが「地球を1周して、やっぱり9条で世界平和」をテーマに、憲法9条のもつ今日的意義について縦横に語りました。

 集会は、シンガーの大熊啓さんの憲法9条にちなんだ歌声ライブで開幕。あいさつに現れた「9条の家」館長の金野奉晴さんは、スパイダーマンのフェイスマスクをかぶって登壇しました。

 どよめきの中、仮装の理由について、安保法制(戦争法)強行で始めた一人街宣を目立たせるためと説明し、この日まで欠かすことなく3618日目を迎えたと報告。「まもなく3650日目、屈辱の10年だった」と振り返りました。「9条の家」が誕生するまでの経緯について紹介した上で、「9条は仮死状態にあり、蘇生させないといけない。今日の話を聞いて、その力を得てお帰りください」と語りました。

各地の9条の碑についてエピソードを交えて話す伊藤氏=15日、杉並区

 伊藤さんはジャーナリストとして84カ国を取材してきた体験を踏まえ、憲法9条の意義について「憲法9条は一国平和主義ではない。世界全ての人々が安全安心に暮らせるようにしようというもので、世界の誰もが納得するもの。世界に誇るべきものだ」と強調しました。

 伊藤さんが最初に語ったのは、沖縄県の宮古島や与那国島で自衛隊によって島全体が軍事要塞化される現状です。自ら撮影した写真を大画面に映し出しながら「国を守るため」との名目で住民の命や人権が無視されて進む実態を告発。背景に軍事力強化が戦争を抑止する力という「抑止論」の考えが政府にあると説明し、「その先にあるのは戦争しかない」と批判しました。

 「戦争を避ける道はある」と述べた伊藤さんは、例として日本の戦後処理が話し合われた「サンフランシスコ講和会議」(1951年)で、後にスリランカ大統領となるジュニウス・リチャード・ジャヤワルダナ氏が、仏教の教えを引用して賠償権を放棄した演説や、ヨーロッパのEU(欧州連合)、「国連憲章」など、戦争をさせない戦後世界の努力に触れ、「こういう中で日本の憲法9条が生まれた」と強調しました。

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