患者の命を奪う保険外し 自公維合意、国、参が公約 OTC類似薬 購入費が29倍にも〈2025年7月20日号〉

 日本維新の会の強い要望により自民、公明は、社会保障改革に関する3党協議(4月17日)で、28有効成分のOTC類似薬(市販薬と類似成分の処方薬)の保険適用外し(1543億円減)を合意しました。主な薬材は消炎湿布薬、抗アレルギー剤、鎮痛薬、去痰剤、咳止め、皮膚保湿剤、ステロイド軟膏などです。選挙後の国会で俎上に載せることが必至の状況の中、「命の危機だ」として患者団体らが悲痛な声をあげています。

 石破政権は本年度末の予算編成過程までに検討し、早期に可能なものは2026年度から実行するとの方針を示し、国民民主党、参政党も参院選の公約に上げています。

 皮膚病の「魚鱗癬(ぎょりんせん)=ことば」を患う子を持つ母親の大藤(だいとう)朋子さん(47)=首都圏在住=も不安を抱える1人です。大藤さんの息子の龍之助さん(23)は出生時から皮膚症状に苦しんできました。汗腺が機能しにくいため夏は体温調節が難しく、冬は乾燥が症状に影響します。皮膚が剥がれ落ちる症状による激しい痒みや痛みが生じないように、常に保護のため大量の保湿剤をはじめとする外用薬の塗布を必要とし、症状が強い時には全身を包帯で保護することが欠かせません。

治療について写真を示して語る大藤さん(左)とNPO法人日本アトピー協会の倉谷康孝・代表理事(右)=10日、千代田区

ことば=魚鱗癬 魚の鱗(うろこ)のように皮膚表面が硬くなり、剥がれ落ちる皮膚病。日本では厚労省の定める小児慢性特定疾患、指定難病になっている。伝染性は全くないが、外見の印象から差別・偏見の問題がある。

 根本的な治療がないため、このような対処療法を繰り返して生活の質をかろうじて保ち命を繋いできました。行動も制限され、「子どもは元気に外で遊ぶ」という当たり前のことも、時には我慢せざるを得ずに成長しました。現在も対処療法を続けながら、理解ある経営者の元で社会参加をしています。

 龍之助さんは厚労省の難病指定を受けており、医療費は収入により負担上限枠が設定されていますが、今でも全身を覆う包帯などは自己負担となっています。医師から処方されているのは外用薬だけでもヒルドイドの後発品が1日に50㌘入りを1・2本、プロペト軟膏が約50㌘、湿疹が出た時はリンデロンVG軟膏5㌘を1回に2~3本用いるといいます。この軟膏が全て保険の適用外とされるならば、その購入費は難病の医療費助成から除外され、全額自己負担になるというのが厚労省の見解です。

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