「日本の軍隊は兵士らが飯を炊いて食べる軍隊なのだ。飯盒(はんごう)は武器よりも大事なものである」▼2017年にベストセラーとなった吉田裕さんの著書『日本軍兵士』に引かれた当時の兵士の述懐です。同書は、軍隊での日常生活や、病気、死の実態から、兵士が強いられた過酷な犠牲を詳述しました▼吉田さんは今年1月、7年かけて収集した新資料も交えて『続・日本軍兵士』を出版しました。非人間的な軍隊組織がなぜ生じたのか、歴史的な経過や構造に迫っています▼飯盒炊飯でいえば、欧米の軍隊が食事の改良を図るなかで日本軍も炊事の必要のないパン食推奨や炊事自動車の導入などの改革期があったこと、自動車普及などの技術の遅れがそれを阻んだこと、炊飯式は戦争末期には燃料確保のために現地住民の家や家財道具を奪い尽くす背景となったことなどを解説しています▼両書から見えてくるのは、後進の資本主義国で、経済をはじめ国力が不足しているにもかかわらず、無謀な戦争に突き進んだ日本の姿です。アメリカの要求による軍事費急増の一方で、過去の戦争を美化する勢力が参院選で議席を伸ばす状況も生まれる現在の日本。歴史の教訓に学び、平和をつなぐ戦後80年の8月15日を迎えます。
東京民報2025年8月10,17日合併号より










