都予算案 不十分な物価高対策 水道基本料 4カ月無償化の成果も 暮らし支援で貴重な成果 公共交通支援が予算化〈2026年2月8日号〉
- 2026/2/7
- 都政・都議会
東京都は1月30日、2026年度当初予算案を発表しました。一般会計は今年度から4950億円(5・4%)増の9兆6530億円となりました。都に集中する大企業を中心とした法人二税の増収を背景に5年連続過去最大を更新。9兆円を超えたのは今年度に続き2度目です。特別会計と公営企業会計を合わせると18兆6850億円(今年度比8353億円、4・7%増)に上り、18兆円を超えたのは初めてで、スイスの国家予算(約17・2兆円)に匹敵します。
里吉幹事長が談話
日本共産党都議団の里吉ゆみ幹事長は予算案について同日、談話を発表。「都民の運動と日本共産党都議団が繰り返し行ってきた論戦・提案が都政を動かして予算化された」重要な成果(表)はあるとしつつも、予算案全体は「国際競争力の強化」が最重要課題とされ、「深刻な貧富の格差拡大への言及はなく、都民を苦しめている物価高騰への対策もきわめて不十分だ」としました。


里吉氏は「都の巨大な財政力を本気で都民のために使うなら、もっともっとできること、やるべきことがある」と指摘。「予算議会での論戦や条例提案、毎年行っている予算組み替え提案などを通して、都の巨大な財政力を本気で都民のために使う予算にしていくため全力を尽くす」と表明しています。
予算案は2月18日から始まる都議会第一回定例会で審議されます。
賃上支援前進せず
物価高騰を上回る賃上げが求められているのに都の2026年度予算案は、中小企業への賃上げ支援で、見るべき前進は見当たりません。現行の支援策は要件が多くて使い勝手が悪いために共産党都議団が賃上げのみのシンプルな「中小企業の賃上げ応援事業」を提案していますが、具体化はされていません。
高過ぎる国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険料の引き上げが見込まれているのに都としての負担軽減策はなく、切実な要望がある障害者医療費助成の対象拡大もなく、ひとり親家庭、障害児・者の福祉手当は30年間据え置かれたままです。都営住宅は27年連続で新規建設ゼロ。家賃補助にも背を向けています。
商店街振興予算は51億円と10年連続据え置かれる一方、成長を見込むスタートアップ企業支援は、今年の529億円から707億円に激増しています。
開発に巨費投入
築地市場跡地や新宿駅前の再開発に27年度以降も入れると1493億円、外環道や環状4号線、特定整備路線などの大型道路建設に新年度だけで548億円もの予算が計上されています(表)。

「無駄遣いだ」との批判が続く都庁舎などのプロジェクションマッピングに14億8000万円、お台場の巨大噴水は今年度中に設置工事が終わり、来年度予算案では水道代などの運営費2億円が予算化されました。仮に10年間同額なら20億円にもなります。総事業費650億円の東京国際クルーズ埠頭の工事も開始。IR・カジノ調査予算も13年間計上し続けています。

不祥事が続き中止を求める声が広がる中学生の英語スピーキングテストに36億円を計上する一方、小池知事の公約でもある中学校の35人学級は、国が行う1年生の実施にとどまっています。
弾道ミサイル攻撃などを前提にした地下シェルター整備が新年度、都営地下鉄麻布十番駅で着工されます。
運動で切り開く
新年度予算案には、都民の運動と日本共産党都議団が都政を動かして切り開いた、貴重な成果が盛り込まれています(表)。

例えば昨夏、都民から大歓迎された水道基本料金の4カ月間無償化。2026年夏も実施します。共産党都議団は25年の無償化について、都民7万人から「物価高のなか、家計や生活費の負担が減って助かった」などの歓迎の声が寄せられたことを明らかにし、都民全体に届く物価高対策として、基本料金を再び無償化することや、使用料の10%値下げを提案してきました。
路線バスの廃止・減便が相次ぐなど地域公共交通の危機対策では、日本共産党が昨年1月に「地域公共交通の危機打開・充実への提言」を発表しましたが、新規事業を含む地域公共交通支援の総合的対策を初めて予算化。コミュニティバスなど区市町村支援の補助限度額も引き上げられます。
事業の中には民間バス運転士の定着・離職防止にむけた住宅手当への支援、女性・若者・就職氷河期世代をバス運転手として新たに採用したバス事業者への奨励金、都立高校生徒に対する特別講座など、共産党の提言を受けてとみられる事業が盛り込まれています。

共産党は学生むけ交通パスの実施を求めてきましたが、学生等の通学実態調査が予算化。鉄道バリアフリーでは、ホームドア整備緊急対策の予算を拡充。共産党が求めてきた23区内の民間火葬場の火葬料など適切な運営や火葬能力の確保を図るための検討委員会が設置されます。












