外国人へのヘイト(憎悪)スピーチなど、差別や排外主義の現場を多く取材してきたノンフィクションライターの安田浩一さんが14日、子どもと教科書全国ネット21の総会で講演しました。安田さんは、高市政権が「不法滞在者ゼロプラン」などとして、日本で暮らす外国人への差別や偏見を助長する政策をすすめているもとで、「この社会はどこに向かおうとしているのか、きちんと考えていこう」と訴えました。
安田さんは冒頭、子どもと教科書全国ネット21の活動と、子どもの権利条約に触れ、「私の取材のなかでも、日本に住む外国人の子どもの問題に多く出会う。政府やマスコミが不法滞在と呼び、私は非正規滞在と呼ぶ外国人の両親を持つ子どもは、たまたまこの社会に生まれ育ってきただけなのに、県境を越えた移動の自由がないために修学旅行にも行けなかったり、いつ日本から追われるか分からない状況に置かれる。自民党は、そうした締め付けをさらに強めようとしている」と批判しました。

排外主義が強まる社会の風潮の例として、安田さんがあげたのが、茨城県が外国人の「不法就労」の情報を市民から募り、警察の摘発につながった場合は、報奨金を支払う制度を2026年度予算案に盛り込んだことです。
安田さんは、「まるで密告制度のようだ。一般の人は、その外国人が在留資格を持つかどうか知ることはできない。金銭目的のガセネタが多く集まるだけだろう。それでも、こうした政策が広く支持されるという事実がある」と指摘しました。
茨城県内に外国人の「非正規就労」が多い背景として、安田さんは首都圏に野菜を供給する農業の働き手不足をあげました。日本人の働き手が集まらないため、外国人に頼らざるを得ないなか、「野菜を収穫したり仕分けたりしている人たちを、あたかも重大な犯罪者のように描いている」と語りました。
劣悪な職場なのに
安田さんは、非正規滞在をする外国人の実態として、自身が取材で会ってきた人たちの例を、写真などを見せながら紹介しました。



















