政府は悲痛な叫びを聞け 文化関係者 補償求めて要請〈2021年1月24日号より〉

「演劇緊急支援プロジェクト」(演劇)、「SaveOurSpace」(音楽)、「Save the CINEMA」(映画)の3団体が手を取り合い、文化芸術復興基金の設立を目指す「#WeNeedCulture」が14日、インターネットを利用したオンラインで意見交換会を開催。第二次緊急事態宣言の発令を受けて13、14日の2日間に、文化庁、財務省、経済産業省、超党派の国会議員へ補償を求める要望書と緊急アンケート資料を提出した報告や、コロナ禍で文化芸術が直面している深刻な危機的状況を説明しました。

 ライブハウスを運営するロフトプロジェクトの加藤梅造社長は「20時以降の自粛要請となると、我々の業界は営業がほぼできないことに等しい。4月の緊急事態宣言では緊急融資やクラウドファンディングで何とか乗り切ったところもあれば、閉店してしまった劇場やライブハウス、クラブがある。今回の緊急事態宣言は、前回以上に大きな打撃になると危惧している」と心情を吐露。映画館・ユーロスペースの北條誠人支配人は「昨年は例年に比べ、35%の売り上げを失った。今回の自粛でさらに25%の売上減になると予測されるので、何らかの形で支援や補償がなければ事業継続は難しい。不安と不満が日に日に増している」と語りました。

文化庁に要望書と緊急アンケート資料を提出する「#WeNeedCulture」のメンバー=13日、千代田区

 要望書に対して各省庁は「現在、補償という考えはない」「持続化給付金とは異なる一時金を検討中」「検討する可能性はあるが、歯を食いしばって事業をやってほしい」などと回答。映画監督の西原孝至氏は「歯を食いしばる体力が、どれだけの団体に残っているのだろうか」と疑問を投げかけました。

「死」考えた3割

 文化芸術に携わる人を対象に、昨年12月31日から1月7日にかけて行った緊急アンケート(回答者5378人)についての説明では、1月以降の予定収入は「50%以下」が31・3%と最多で、「無収入」が10・4%。「コロナ禍で死にたいと思ったことはあるか?」との問いに、「ある」と答えた人が32・5%もいるという、驚きの事実が明らかになりました。

 アンケートの自由欄には「絶望しかない」「積み上げてきた実績が次世代に引き継げなくなり、文化的継承が途絶えてしまう」「職業を否定されているように感じる」など、悲痛な叫びが多数寄せられています。

 劇作家・演出家の瀬戸山美咲氏は「多くの人々の心を支えていると私たちは自負している。しかし、文化芸術が生活に密着する必要不可欠な存在ということが、議員にも伝わっていないと感じるときがあり、文化芸術を生活から切り離して捉えるこの国の空気に作り手は傷ついている」と発言。タカハ劇団主宰の高羽彩氏は「第二次緊急事態宣言が出て、自粛や規制の内容が毎日変わり、混乱した状況に現場が追い込まれるのは精神的にものすごく負荷がかかる。一寸先は闇」と打ち明けました。

 文科省が公表した第3次補正予算案は、コロナ禍における文化芸術活動支援として370億円が計上されているものの、公演・演奏会・ライブを開催するなど、積極的な活動を行うことが支援の条件。日本劇団協議会の福島明夫氏は「公演ができなくなっていることに対してどうすべきかが問われているのに、これは事業再開後のための支援予算。今は活動をやっても地獄、やらなくても地獄の状態。通常国会が始まるので、制度設計の見直しを訴える必要がある」と述べました。

(東京民報2021年1月24日号より)

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