無症状者 35%が強い感染力 世田谷区 高齢者施設の検査を分析〈4月11日号より〉

 感染させるリスクが極めて高い無症状の感染者が3割以上いた―。世田谷区は3月26日、無症状者の利用者や職員に定期的に行っているPCR検査、いわゆる社会的検査の分析結果をまとめ、公表しました。検査数は1万5000人以上に上ります。

 同区では昨年10月から高齢者・障害者施設などでのクラスター(感染者集団)発生を防止するため、社会的検査を実施しています。区によると3月21日現在、高齢者施設114カ所で実施。このうち11カ所の施設で陽性例があり、クラスターが発生したのは2カ所。一方、定期検査を行っていない施設111カ所では、陽性者が出たのは21施設、クラスター発生は6施設。検査実施施設に比べ3倍となっています。

 会見では東京大学先端科学技術研究センターの児玉龍彦癌・代謝プロジェクトリーダーの、「高齢者の入所施設のクラスターが、都における新型コロナウイルス死亡増加の主たる原因であることに鑑み、今後も社会的な定期検査を強化することが重要」とのコメントが紹介されました。

 会見ではまた、11月から3月4日までの陽性者78人のうち27人34・6%が、マスクなしでの会話や会食でも簡単に感染させてしまう「感染力の強いタイプ」だったと報告。さらに、そのうち8割が高齢者だったことも分かりました。

 保坂展人区長は記者会見で「スプレッター(感染力の強い人)やスーパースプレッターは若くて元気な人たちで、感染した本人は無症状のまま高齢者に感染させると思い込んできた。しかし、高齢者施設を利用する人たちの中に、症状がないまま多くのウイルスを保有している人がいたことが今回、分かった」と語りました。

 区では、こうした無症状の人たちを早期に見つけてクラスターを起こさせないために、現在2カ月に1回定期検査を行っていますが、今後1カ月程度につき1回へと期間を短縮し、さらに都や民間の事業を活用して、2週間に1回程度へと頻度をあげていきたいとしています。

(東京民報2021年4月11日号より)

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