コロナ禍 子どもの健康に影響深刻 保団連 学校健診後の受診を分析〈2021年6月27日号〉

 コロナ禍による社会の変化が子どもたちの健康にも影響を及ぼしているー。全国保険医団体連合会(全国保団連)は17日、マスコミ懇談会を開催し、独自で実施した「2020年学校健診後治療調査」をもとに新型コロナウイルス感染拡大後の健康状況を発表しました。あわせて医療現場の実態から「感染拡大、医療ひっ迫を招く東京オリ・パラ開催は中止を」との声明を発表しました。

「東京オリパラの中止」と「高齢者の窓口負担増抗議」を訴える保団連の住江憲勇会長=2021年6月17日、渋谷区

 例年、学校の健康診断は校医(近隣の開業医などが委嘱を受けていることが多い)らが1学期に行います。結果によっては医療機関の受診が必要な時に、夏休みに受診ができるように配慮されているためです。

 学校では健診後、必要がある場合には児童・生徒を通じて、受診を指示する文書が渡されます。児童・生徒はそれを持参し医療機関を受診。治療が終わると医師が所見を記入し、学校に提出することになっており未受診率が明らかになります。

 全国保団連では例年、都道府県の保険医協会・保険医会を通じて、学校に向けて「健診結果後治療調査」を行い、結果を分析。必要に応じて提言などを実施しています。

 しかし、昨年は3月2日から政府の要請に基づく一斉休校が長いところでは3カ月にも及んだために健診が延期されました。31都道府県から寄せられた調査結果報告書では、▽新型コロナウイルス感染拡大によって受診できない児童・生徒の存在▽例年と比較して受診できない児童・生徒の増加▽広範囲な影響事例―が確認されたとして「国・自治体・地域での積極的な対策が求められている」と結んでいます。

肥満や視力低下も

 2019年度の調査結果と、新型コロナウイルス感染拡大後の2020年度の調査結果を比較すると、調査対象の歯科、眼科、耳鼻科、内科の全科において未受診率が増加していました(表)。この結果を全国保団連は「新型コロナウイルス感染拡大をおそれるために受診できない児童・生徒がいる」と指摘しています。他方、経済が悪く「親が忙しく働くために、わが子の受診支援ができない」と明らかにしました。

 また、40.3%が新型コロナウイルスの影響があると回答。事例としては▽肥満児童・生徒の増加▽視力低下▽保健室登校の増加▽虫歯のある児童・生徒の増加―がみられたといいます。全国保団連は「感染予防のために在宅でゲームなどで遊ぶ機会が増えたために、運動量の低下や目の酷使が影響している」と分析。歯科に至っては「感染を恐れ、学校での歯磨き指導の機会が減少している」と述べています。

 さらに経済的貧困の影響は見過ごせないと強調。眼鏡や補聴器の購入ができないケースや、受診できないために歯痛を訴えて保健室を訪れる子どもがいるとの回答に「子ども医療費の無料化の充実と医療費助成や就学援助などで眼鏡などの支給が必要だ」との見解を示しています。

 内科では肥満児童・生徒の増加が一番多い一方で「強い低栄養子がいる」との回答もあり、満足に食べることができない環境も見えるとしています。未受診のために病状が悪化し手術を受けた例も挙げられ適切な受診支援が訴えられました。

 最後に「東京オリ・パラの中止を求める」「75歳以上の医療費窓口負担2割化に激しく抗議する」の声明が発表されました。

 

東京民報2021年6月27日号より

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