連載・東京都の気候対策①排出ゼロ戦略での目標〈2021年12月12日号より〉

 気候危機とよぶべき非常事態が起こっています。すでに世界各地で異常な豪雨、台風、猛暑、森林火災、干ばつ、海面上昇などが大問題になっています。日本でも「経験したことがない」豪雨や暴風、猛暑など深刻です。東京都における気候危機対策の概要と日本共産党都議団の提案などについて、2回にわたり紹介します。

 国連IPCC「1・5度特別報告書」は、2030年までに大気中への温室効果ガス(その大半はCO2=二酸化炭素)の排出を2010年比で45%削減し、2050年までに実質ゼロを達成できないと、世界の平均気温の上昇を産業革命前に比して1・5度までに抑え込むことができないことを明らかにしました。

 パリ協定(17年8月)は「上昇幅を2度を十分に下回り、1・5度以内に抑える」ことを目的に日本を含む世界196カ国が合意して締結。世界1000を超える自治体も、「気候非常事態宣言」を出し、緊急行動を呼びかけています。

 世界に比べ遅れをとる日本ですが、東京都では19年12月、2050年のCO2排出実質ゼロに向けた「ゼロエミッション東京戦略」を公表。20年12月には気候危機はより深刻化しているとして「気候非常事態を超えて行動を加速する宣言」を出し、「世界をリードしていく」と表明しました。

 2021年3月には「ゼロエミッション東京戦略Update & Report(アップデート&レポート)」を策定。2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロに向け、30年までに2000年比で排出量半減の目標を掲げました(表参照)。

 都はビジネス、市民生活、都市づくりなど「あらゆる分野の社会的経済構造を、脱炭素型に移行する再構築・再設計が必要」だとし、2030年までにカーボンハーフ実現に向けた36のアプローチ、直ちに加速・強化する94の新たな取り組みを提示。各部局や公営企業(次期計画期間=25~29年度=から統合予定)の個別計画の戦略をアップデートしています。

 都はこうした一連の取り組みを公表してきましたが実際の行動は、それにふさわしいものとなっているのでしょうか。(東京民報編集部)

(東京民報2021年12月12日号より)

関連記事

最近の記事

  1.  世界平和統一家庭連合(旧統一協会)と政治家の接点を取材してきたジャーナリストの鈴木エイト氏による…
  2.  銀座駅から約2.5キロメートルと至近距離にある中央区晴海5丁目のマンション群「晴海フラッグ」(住…
  3.  読者から寄せられた質問にQ&A方式で答えます。 ◇  Q 統一地方選が迫ってきました…
  4.  虐待や性被害に遭う若い女性に寄り添う都の「若年被害女性等支援事業」を受託した一般社団法人「Col…
  5. ストライキについて会見で話す組合員ら=16日、千代田区  首都圏青年ユニオンの回転寿司(ずし…

インスタグラム開設しました!

 

東京民報のインスタグラムを開設しました。
ぜひ、フォローをお願いします!

@tokyominpo

ページ上部へ戻る